高い専門性が必要で、縁の下の力持ちのイメージがあるデータベースエンジニア。未経験から目指すのは難しいという噂もあります。
しかし、「仕事が地味で飽きない?」「ビッグデータって何に使うの?」など、データベースエンジニアに関して疑問を感じていませんか?
そこで今回は、
- データベースエンジニアの仕事内容・働き方・給与は?
- データベースエンジニアの1日の流れ・やりがい・苦労とは?
- 未経験からデータベースエンジニアになる方法
についてご紹介します。
データベースエンジニアに興味がある、転職したいとお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。
データベースエンジニアの仕事内容・働き方・給料は?
そもそもデータベースエンジニアがどのような仕事で、どんな働き方をしているのかご存知ですか?はじめに、データベースエンジニアの「仕事内容」「働き方」「給料」についてご紹介します。
データベースエンジニアの仕事内容
データベースエンジニアの仕事は、その名の通りデータベースの管理をすることです。データベースとは、データを格納する倉庫のようなもので、どこに何を入れるか設計し、素早く正確にデータを取り出せるように管理する仕組みのこと。
データベースエンジニアは、データベースの設計・開発、管理、運用を行います。具体的には、
- 設計・開発:データベース製品の「Oracle」「Microsoft SQL Server」などを利用して、データベースを設計・開発
- 管理:データを長期間保存できるように、データベースの改善・効率化を実施
- 運用:データベースのアクセス権の管理、データベースのバックアップなどを実施
などが業務内容です。
最近では「ビッグデータ」と呼ばれる大量データの取り扱いも増えており、システム開発におけるデータベースエンジニアの果たす役割は大きくなってきています。
データベースエンジニアの働き方!休日や残業は?
データベースエンジニアの残業時間は14時間と、エンジニアの中でも最も少ない水準です。データベースは24時間監視する必要があるため、データベースエンジニアの勤務時間は不規則になりがち。トラブルが発生した時には夜間、休日の出勤もありえます。
一方で、データ分析系の案件ではリモートワークに対応していることもあり、通勤せずに自宅から働けるのがメリットです。
データベースエンジニアは常に気を抜かずに監視が必要な厳しい仕事ですが、案件によってはリモートワークも可能な自由度の高い仕事となっています。
参考:パーソル総合研究所、ITエンジニアの就業意識に関する調査結果を発表 ITエンジニアのキャリア不安1位は自分の技術やスキルの陳腐化で46.5%|パーソルHDのプレスリリース (prtimes.jp)
データベースエンジニアの給料・年収は?
データベースエンジニアの平均年収は567万円で、エンジニアの中では標準的な支給水準です。データベースエンジニアとして年収を上げるためには、
- データベースの専門資格をとる
- マネジメント力をつける
- 転職する
などが有効な方法。マネジメント力は一朝一夕では身につかないため、今すぐできるのは専門資格の勉強を始めることです。もしあまり業務時間外に時間が取れない場合は、年収の高い求人を探して転職を目指してみましょう。
参考:パーソル総合研究所、ITエンジニアの就業意識に関する調査結果を発表 ITエンジニアのキャリア不安1位は自分の技術やスキルの陳腐化で46.5%|パーソルHDのプレスリリース (prtimes.jp)
データベースエンジニアの1日の流れ・やりがい・苦労とは?
24時間データベースの監視が必要なデータベースベースエンジニア。一体どのような1日を過ごしているのでしょうか?今回はデータベースエンジニアの1日の流れを解説しながら、「やりがい」「苦労」についてご紹介します。
データベースエンジニアの1日の流れ
あるデータベースエンジニアについて、1日の流れを見てみましょう。
9:00 | 出社、ミーティング |
9:30 | 開発データベースメンテナンス |
11:30 | レビュー |
12:00 | ランチ |
13:00 | データベース設計、サポート問合せ対応 |
17:30 | 退勤 |
朝出社すると、まずはミーティングに参加してチームメンバーの進捗状況や課題を共有します。ミーティング後、開発環境でデータベースのメンテナンスを実施。チーム内での設計レビュー会に参加してから、お昼休憩をとります。
午後からは新しい案件のデータベース設計を進めつつ、電話やメールで問合せ対応を実施。定時になったら退勤です。
データベースエンジニアのやりがいは「市場価値の高い専門性を身に着けられること」
データベースエンジニアのやりがいは、市場価値の高い専門性を身に着けられることです。
データベースエンジニアは、データベースそのものだけでなく、関連するアプリケーションやネットワーク、サーバーの知識も必要なため、経験を積むことで多くの専門知識を身に付けられます。
そのため、ベテランのデータベースエンジニアは多くの案件で引き合いがあり、複数の案件を掛け持ちすることも珍しくありません。
例えば、新規の開発案件で顧客から要望をヒアリングするシーンを考えてみましょう。アプリケーションの担当者、サーバーの担当者などそれぞれの担当者を参加させられれば最初から顧客と具体的なシステム開発イメージを共有できます。
ところが、通常は顧客からの要望ヒアリングの段階では、まだ少人数でプロジェクトを動かしていることが多く、それぞれの専門のエンジニアを打合せに呼ぶのはなかなか難しいもの。
そんな時、データベースエンジニアがひとり参加すれば、実際のアプリケーションの出来上がりイメージや、必要なサーバー構成、データベース設計などを具体的に想定しながら顧客と会話できます。
データベースエンジニアは幅広い専門知識をもって営業や見積もりの段階から活躍できるため、ベテランになると多くの案件で重要な役割を担える、やりがいを感じられる仕事です。
データベースエンジニアの苦労は「重要データの取り扱いがあり責任重大なこと」
データベースエンジニアの苦労は、重要データの取り扱いがあり責任重大なことです。
データベースの中には個人情報が含まれるものもあり、流出した場合には企業は大きな社会的責任を問われるもの。データベースの管理者として、データベースエンジニアは強いプレッシャーの中でシステムを監視しています。
もし、個人情報が流出してしまった場合はどんなことが起こるでしょうか。経営層が責任をとって辞職したり、マスコミへの説明を求められるなど、企業の信用は失われてしまいます。場合によっては数万人規模で賠償金を準備することもあるかもしれません。
データベースエンジニアは、サイバー攻撃などのあらゆるリスクに備えてデータベースのセキュリティ設計を行わなければいけません。データベースエンジニアは企業の信用度に大きく影響のある重要データを取り扱う、責任重大な仕事です。
未経験からデータベースエンジニアになるための方法
ここからは未経験からデータベースエンジニアになるために「向いている人の特徴」「転職するための心構え」「転職テクニック」を解説します。ぜひ転職を検討中の方は参考にしてみてくださいね。
データベースエンジニアに向いているのは「トラブルの原因を楽しんで追究できる」人!
データベースエンジニアに向いているのは、時に発生してしまうデータベースのトラブル原因を楽しんで追究できる人です。
データベースにはあらゆる原因で停止してしまうリスクがあります。データベースが問題なく稼働している期間が続くことは少なく、頻繁に起こるトラブル自体を楽しめることが重要です。
例えば、データベースのトラブルにはネットワークの不調が影響するパターン、データベースの設計が誤っているパターンなど、様々な原因があります。
データベースエンジニアひとりの力では解決できないものも多いため、ひとつひとつの原因に責任を感じすぎると日々の仕事がつらいものとなってしまう可能性も。
もちろん、トラブルを発生させてしまったこと自体は顧客に謝罪しなければいけませんが、予期せぬトラブルは発生するものと思って原因追究を楽しめる心持ちでいることが大切です。
データベースエンジニアは、日々のトラブル原因追求にやりがいを感じられる人に向いている仕事です。
データベースエンジニアになるために必要な資格・スキル
データベースエンジニアには、データベースの基礎知識に加え、具体的なデータベース製品についての知識も重要です。
具体的には、
- Oracle Master
- 基本情報技術者
- データベーススペシャリスト
などの資格が役に立ちます。ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
Oracle Master
Oracle Masterは、オラクル社の製品に関する認定資格で、ITエンジニアが新入社員の時に基礎知識のひとつとして取得を目指すことも多いです。難易度に応じてランクが上がるため、まずは最も易しいブロンズを目指すのをおすすめします。
基本情報技術者
基本情報技術者資格では、データベースを取り扱うにあたり、IT技術者として最低限おさえておくべき基礎知識を学習できます。多くのIT技術者が新入社員時代に取得するため、転職前に取得できれば非常に有効です。
データベーススペシャリスト
実務経験に匹敵するデータベース知識を持っていると証明できるのが、データベーススペシャリスト資格。取得することで、データベースに関する企画から開発・運用まで対応できるスキルをアピールできます。
ただし、全くの未経験から取得するのはかなり難易度が高いため、余力がある場合にチャレンジしてみるのがおすすめです。
データベースエンジニアに転職するためのテクニック
データベースエンジニアの仕事を探す場合、「システムエンジニア」の求人を広く探すのがおすすめです。
実は「データベースエンジニア」という名前での求人はあまり多くありません。一番多いのは、システムエンジニアとしての募集で、システムエンジニアの仕事の一環としてデータベースを取り扱うパターンです。
そのため、「データベースだけをやりたい」というこだわりがない場合は、システムエンジニアとしての求人を広く探してみましょう。また、システムエンジニアの求人では、多くの案件で使えるJavaなどのプログラミング言語を持っていると選考に有利です。
データベースエンジニアの仕事をしたい場合は、Javaなどのプログラミング言語を習得しつつ、「システムエンジニア」の求人を探してみましょう。
まとめ
今回は、データベースエンジニアの仕事内容から転職方法まで詳しく解説してきました。データベースエンジニアは、重要データを取り扱うためプレッシャーが大きいものの、市場価値の高い専門知識を身に着けられる、やりがいの大きな仕事です。
トラブル原因を楽しんで追究できる方は、ぜひデータベースエンジニアに挑戦してみてはいかがでしょうか。良い転職活動になることをお祈りしております!