「アパレル業界は華やかで楽しそうだけど本当?」「本当に未経験からでもなれる?」など、これからアパレル業界を目指している方で、疑問を感じている方はいませんか?
そこで今回は、アパレル業界の仕事内容や働き方、転職の仕方まで、詳しく解説していきます。ぜひ最後までお読みいただき、転職活動に後悔がないようにしてください。
アパレル業界の仕事内容・働き方・給与は?
アパレル業界といってもさまざまな職種があります。そこで、アパレル業界の代表的な『仕事内容』『働き方』『給料』についてご紹介します。
アパレル業界の仕事内容
アパレル業界の仕事内容について見ていく前に、「アパレル」と「ファッション」という言葉の意味について理解しておきましょう。「アパレル」と「ファッション」は似た言葉ですが、実は少し違う意味合いを持っています。
「アパレル」は業界の名前、もしくは単に「衣服」のこと。そして、「ファッション」は流行やライフスタイルまで含めた広い意味での「装い」のことを指します。そのため、業界の話をするときにはアパレル業界と呼びます。
それでは、アパレル業界の仕事内容について見ていきましょう。アパレル業界にはいろいろな職種がありますが、大きく分けると「ファッションを作る職種」「ファッションを広める職種」「ファッションを伝える職種」の3種類に分かれます。
具体的には、
- ファッションを作る職種
- デザイナー:商品を企画する
- パタンナー:デザインからパターンを起こす
- MD(マーチャンダイザー):マーケットやトレンドを分析し、店舗に商品を配分する
- バイヤー:シーズン全体の方針に沿って買い付けを行う
- ファッションを広める職種
- PR、広報(プレス):会社や商品、ブランドのPR活動を行う
- 営業:自社ブランドの商品を卸業者や百貨店、店舗に売り込む
- VMD(ビジュアルマーチャンダイザー):デザイナーやブランドの発信する方針に沿って各店舗の運営を行う
- ファッションを伝える職種
- 販売員:ブランドのコンセプトを理解してお客様に販売する
- SV(スーパーバイザー):店舗と本社を繋ぎ、複数店舗を運営する
- EC(イーコマース):オンラインショップの運営、商品販売を行う
などの職種があります。
どの職種もファッションに関わる仕事ですが、一般的に「アパレル業界」の仕事と聞くと、「販売員」の仕事をイメージする方が多いでしょう。そのため、これ以降は販売員の方について代表して取り上げていきます。
アパレル業界の働き方!休日や残業は?
アパレル業界の働き方のひとつとして、販売員の例を見てみましょう。販売員は年中無休で長時間営業する店舗で働くため、不定期なシフト勤務で長時間の立ち仕事をする体力的にきつい仕事です。
さらに販売員は体力勝負・拘束時間が長いなど労働環境が厳しいため、慢性的に人手不足という問題まで抱えています。しかし、最近では業界全体で働き方について問題意識が生まれており、中小企業・大企業を問わず様々な会社で働き方改革への取り組みも。
例えば、「ローリーズファーム」「ニコアンド」などを経営しているアダストリアと新静岡セノバは「ささえあう働く時間プロジェクト」という働き方改革を実施しています。営業時間にコアタイムを設けたり、店舗独自の休日設定、営業時間短縮などのトライアルを行って働き方を見直す取り組みです。
このように、働き方を見直している会社も増えてきているので、育児中の女性や体力のない方でも働ける環境が徐々に整い始めています。
アパレル業界の給与は?
アパレル業界の年収は、どの職種でも300万円台からスタートしています。年齢の上昇とともに年収アップする幅が大きいのは営業、VMDのため、自分の成長とともに収入をアップさせたい場合は営業やVMDに挑戦してみてください。
逆に年収の上昇がほとんど見受けられないのがパタンナー、販売員、店長。ただし、パタンナーについてはライフスタイルの変化で時短勤務を選ぶ人が多いため、年収アップの幅が少ないと考えられます。
職種名 平均年収 25-29歳 30-34歳 35-39歳 デザイナー 325万円 368万円 436万円 パタンナー 320万円 326万円 338万円 MD 362万円 427万円 452万円 VMD 348万円 454万円 512万円 プレス(PR) 378万円 438万円 492万円 営業 371万円 453万円 501万円 店長 363万円 376万円 432万円 販売員 300万円 331万円 346万円 EC 338万円 389万円 436万円
参考:アパレル業界の平均年収と転職動向|アパレル・ファッション業界の求人、転職ならクリーデンス (crede.co.jp)
アパレル業界の1日の流れ・やりがいと苦労とは?
アパレル業界の方は一体どのように仕事をしているのでしょうか?ここでは、販売員の『1日の流れ』『やりがい』『苦労』についてご紹介します。
アパレル業界の1日の流れ
ある販売員の1日の流れを見てみましょう。
10:20 | 出勤 |
10:20 | オープン準備 |
10:50 | 朝礼とミーティング |
11:00 | オープン |
13:30 | ランチ |
14:30 | 仕事再開 |
20:00 | クローズ作業、退勤 |
販売員は、オープン準備の10~15分前に出勤します。お店についたら掃除、商品の整列を行い、朝礼とミーティングに参加。スタッフ間で連絡事項や売上目標を共有後、お店がオープンします。
お客様がいる時には接客を行い、お客様が少ないタイミングでは仕入れた商品の検品やポップ作成などを実施。閉店時間になったらお店のシャッターを閉め、レジを締めてクローズです。
販売員は1日を通して立ち仕事を行っているので、体力が必要になってきます。
アパレル業界のやりがいは「お客様から信頼してもらえること」
アパレル業界のやりがいは、お客様から信頼してもらえること。
遠方からファンだと言ってわざわざ店舗まで来てくれるお客様や、接客が気に入ってリピーターになってくれるお客様がいると、販売員は信頼される喜びを感じます。また、結婚式などのイベント用に服を購入していったお客様が後日「この服で参加できて良かった」とお礼を言いに来てくれることも。
お客様の晴れ舞台をお手伝いできることはもちろん、パーティーやデートで着ていく服を選ぶなど、お客様の日常を「アパレルのお仕事」でサポートできます。
アパレルを通して幸せを届けられるのは、アパレル販売員の誇り。お客様から感謝の一言をいただいた時には「販売員をしていてよかった」と心から思うこと間違いありません。
アパレル業界の苦労は「肉体的負担が大きいこと」
アパレル業界の苦労は、肉体的負担が大きいことです。
販売員は1日中立ちっぱなしのため、足腰への負担がとても重いもの。セールなどの繁忙期は通常より商品数の多いため、在庫の移動や品出しなどの力仕事もたくさん発生します。しかも、女性にはヒールの着用を義務付けるショップもあり、働き始めや新しい靴を履きたての頃は絆創膏が手放せないという方も多いです。
また、マネキンの着せ替えも重労働。お店では日頃から商品の入れ替えを行うので、身長175cm・約15kgと自分より大きく重量感があるマネキンの着替えは、見た目以上に体力を使う大変な作業です。
販売員は華奢でおしゃれな店員さんが働いている華やかな仕事のイメージがありますが、実は肉体労働が多く体力勝負な一面も。おおよそ1か月ほどで一通り業務には慣れますが、店頭での肉体労働は苦労のひとつにもなっています。
未経験からアパレル業界に入るための方法
アパレル業界は知識やスキルが必要となる専門的な職種ですが、未経験からでも目指せるのでしょうか?ここからは未経験からアパレル業界に入る方法を解説します。
アパレル業界に向いているのは「ファッションに飽くなき探求心を常に持ち続けられる」人!
アパレル業界に向いているのは、ファッションに飽くなき探求心を常に抱き続けられる人。
シーズンごとに流行が変わり、自分でも自社ブランドの服を着続けなければならないので、常に最新の服を把握し流行を取り入れなければいけません。ファッションが好き、自社ブランドが好きという方であれば、常に最新情報をチェックするのも苦にならないものです。
販売員は肉体的にも負担が大きい仕事ですが、ファッションに対して常に探求心を持ち続けられれば長く続けていけます。
アパレル業界へ転職するための心構え
アパレル業界に転職するためには、アパレル業界に対する華やかなイメージだけでなく、大変なことも含めて現実的なイメージを持っておくことが大切です。
例えば、販売員に対して「いつも最新の服を着て接客をしていて素敵」というポジティブなイメージを持つ方が多いかもしれません。ところが、実際は販売員は社割を使って自腹で服を買わなければならず、少なからず経済的な負担があることは認識しておく必要があります。
曖昧でポジティブなイメージで仕事を始めてしまうと、実際に働き始めてからギャップを感じてつらくなり、早々に辞める羽目になってしまう可能性も。
メリットとデメリットを比較して、自分が本当にアパレル業界で働きたいのかしっかり確認しておくことが大切です。
アパレル業界へ転職するための志望動機・自己PRの書き方
アパレル業界へ転職するための志望動機、自己PRとして、まずはそのブランドが好きということを熱く伝えるのが有効です。
その際、ただ好きというだけでなく、どんな点が好きか、他のブランドではなぜいけないのかをしっかり語ることができれば、採用担当にも志望度の高さがわかってもらえます。例えば「女性が働く強さを応援する」「心地よい毎日に寄り添う」などブランドの理念に共感する、というアピールもありです。
また、未経験者では人柄ややる気が重要になるため、ブランドの研究を重ねることで積極的にやる気をアピールしましょう。
まとめ
アパレル業界の仕事内容や転職方法について解説してきました。いろいろな職種の中でも販売員について着目しましたが、販売員は肉体的負担だけでなく、自分の服を自腹で購入するなど経済的にも負担のある仕事です。
華やかで人気のある仕事だと思われがちですが、ブランドに対する熱意がないと務まらない仕事でもあります。自分の気持ちをしっかり確認して、アパレル業界を目指すかどうか改めて検討してみてください。
良い転職活動になることをお祈りしております!