転職を決意した時。うつや病気で体調を崩している時。配偶者の転勤が決まった時。など様々な理由で、仕事を辞める決断をしたものの、「いつまでに・誰に退職を伝えればいいのか、わからない」とお悩みではありませんか?
また、「仕事を辞めると伝えたら揉めたりしないかな」と円満に退職できるか不安に感じている方もいることでしょう。
この記事では、「スムーズに辞めたい。円満退社がしたい」という方に向けて、『仕事を辞める手順』と『仕事を辞める時の伝え方』『円満退社のコツ』についてご紹介!ぜひ最後までお読みください。
【ケース別】仕事の辞め方の手順
『退職の意思を伝える』→『退職届の提出など退職の手続き』→『転職』という仕事を辞めるときの基本的な手順は、どのような理由の場合も共通です。
しかし、『仕事を辞める決意』をしてから『退職の意思を伝える』までの過程には、仕事を辞める理由によって、異なる手順を踏んだ方が、辞めた後のことを考えると良い場合があります。
ここでは、『転職する時』『体調を崩している時』『急な事情で辞めなければいけない時』という3つのケースに分けて、仕事を辞める手順を解説します。
転職する時の仕事を辞める手順
転職をするとき、仕事を辞める手順は、次のようなプロセスを踏むのがオススメです。
- 転職活動をし転職先を決める
- 退職の意思を伝える
- 退職の手続きと引き継ぎをする
- 退職
【転職の場合】仕事の辞め方の手順のポイント
転職先が決まってから、退職の意思を伝えましょう。
「退職してから、少し休んで転職活動をしよう」と思っている方がいるかもしれません。体調不良など特別な理由がなく、空白の期間を作ることは避けてください。
ブランクがあることは、転職活動で不利になります。そして転職を決意したときに、多くの方が不安に思うのは、「転職先がすぐに見つかるかどうか」です。
在職中から転職活動を始めて、路頭に迷うリスクを無くしましょう。退職したい時期の約3ヶ月前から転職活動をすることが理想と一般的には言われています。
体調を崩している時の仕事を辞める手順
仕事を辞める理由には『うつや病気などの体調不良』ということもあります。このような場合は次のような手順を踏みましょう。
- 病院で診断書をもらう
- 診断書をもとに、休職を申し出る
- 休職期間を置き、復帰が無理な場合は退職を申し出る
- 退職の手続き(あれば引き継ぎ)
- 退職
【体調不良の場合】仕事の辞め方手順のポイント
うつや病気などの体調不良で仕事を辞めようと思っても、すぐに退職を考えるのは待ってください。休職期間を置いて、体調を整えることを第一に考えましょう。
働けない状態で、仕事を辞めてしまうと『今後の生活に対する不安』というストレスが増え、体調が悪化してしまう可能性があります。
急な事情で辞めなければいけない時の仕事を辞める手順
配偶者の転勤や両親の介護など、急な事情で仕事を辞めなければいけないケースについて手順を解説します。
- すぐに直属の上司に事情と退職日を説明する
- 退職の手続きと引き継ぎ
- 退職
【急に辞めなければいけない場合】仕事の辞め方手順のポイント
配偶者の転勤でよく見られるケースです。転勤は2週間前や10日前に言い渡されることが多く、本当に突然。少しでも円満に退職できるように、転勤が決まったらすぐに上司に相談し、退職や引き継ぎの段取りを決めましょう。
このケースは、会社側も「急に辞められるのは困る」となり、トラブルになりやすいケースでもあります。
トラブルになるリスクを少しでも減らすために、結婚時や入社時に「配偶者の転勤のため、急に退職する可能性がある」ということを上司、同僚に話しておきましょう。
仕事の辞め方 退職の伝え方編
実際に退職を伝えようとするときに「どんな言い方で切り出すのか」「いつまでに言えばいいのか」など意外にわからないことが多いと思います。
私も経験ありますが、わからないことが多い上に「辞める理由は何を言えばいいのか」「引き止められたらどうしよう」と思うと中々、退職の意思を伝えにくいものです。
ここからは、スムーズな退職ができるための『退職の伝え方』について詳しく解説します。
退職の1ヶ月から2ヶ月前に直属の上司に申し出る
まず退職を伝えるのは『直属の上司』に伝えてください。就業規則にもよりますが、退職の1ヶ月から2ヶ月前に退職を申し出ましょう。退職の意思の伝え方は以下のポイントを押さえましょう。
- 上司に事前にアポイントを取る
- 2人きりで話せる場所で話す
- 最初の一言は「お詫びと退職の意思表明」
では、このポイントについて、詳しく解説します。
上司に事前にアポイントを取る
「今ちょっといいですか?」と何かのついでに上司に切り出すことはしてはいけません。まずはメールで「お話ししたいことがありますので、少しお時間いただけないでしょうか?」と上司のアポを取りましょう。
ここで注意したいのは『退職』という言葉は出さないことです。『退職』という言葉を出すと、引き止めるための準備を上司ができてしまいます。
そうすると、スムーズに退職ができなくなる可能性も。この段階では、あくまでも上司の予定を空けてもらう文章にしてください。
2人きりで話せる場所で話す
オフィス内など、他の人もいる場で話すということはしてはいけません。これは、周囲への配慮という理由はもちろん、冷静に話す場を設けるという理由があります。
退職はある意味『交渉』のようなものです。お互いに、冷静に話せるよう会議室など2人きりで話せる場所を選びましょう。
最初の一言は「お詫びと退職の意思表明」
退職を切り出すとき、まずは「お詫びと退職の意思表明」から切り出します。具体的には「突然で申し訳ありませんが、退職させていただきたく、今回お時間を頂きました」という言い方で始めると良いでしょう。
このときのポイントは、『お詫びから入る』こと、そして『退職をすでに決めている』という意思が伝わる言い方です。例えば「退職を考えていまして」というような曖昧な言い方は、『退職を悩んでいる』と捉えられてしまいます。
そうなると、上司はもちろん引き止めようと、話が長引き、話が前に進みません。ですから、『退職は決めている』と伝わる言い方をしてください。
また、退職で会社に多少なり迷惑をかけることは事実ですから、『お詫びの気持ち』を示すことも重要です。決して「○月末で辞めさせてください」と自分の都合だけを押し付けるような言い方は反感を買いますので、してはいけません。
納得できる退職理由を準備する
次に、『納得できる退職理由を準備しておくこと』について解説します。退職の意思を伝えると、必ず理由を聞かれることは予想できると思います。
退職の理由は「一身上の理由です」ということもできますが、それで上司は納得してくれません。あらかじめ、『納得できる退職理由』を準備しておきましょう。
『納得できる退職理由』とは何だと思いますか?それは、『今の職場では希望が叶えられないから仕方ない』と思われる退職理由です。
例えば、「〇〇という仕事に挑戦してみたい」というような前向きかつ、引き止めにくい理由が良いでしょう。また、体調不良や家庭の事情のような理由は、正直に言って構いません。
引き止められないように対策を考えておく
会社にとって、あなたが退職することは、できれば避けたいことでしょう。中には、強い口調で引き止める上司もいます。そうなると、怯んでしまい、話ができなくなる方も。
ですから、上司からの引き止められないように対策を考えておくとスムーズに話が進みます。
例えば、退職日を決めている。転職先が決まっている。先ほど述べた、『納得できる退職理由』もその1つ。あとは、引き止める材料を作らないよう『退職理由に会社の不満』を使わないことです。
例えば、『給料』や『残業の多さ』を退職理由にしてしまうと。「次の昇給で〇〇円アップを約束する」「残業にならないよう、人員配置を変える」など交渉の余地を与えてしまいます。
仕事の辞め方 円満退社のコツ編
仕事を辞めるとき、誰もが思うことは「円満に退社したい」ということでしょう。仕事を辞めると、上司、同僚だけでなく、取引先などにも影響があります。
転職先でも、何らかの繋がりがある可能性もあるので、円満退社を目指したいもの。ここでは、円満退社のコツをご紹介します。円満退社をして「立つ鳥跡を濁さず」というように気持ちよく、次への一歩を踏み出しましょう。
仕事を辞めるタイミングに関するコツ
まずは、退職のタイミングに関する円満退社のコツはこちらです。
- 退職の意思を伝える日、退職日は繁忙期を避ける
- 就業規則に沿って転職の手続きを進める
- 就業規則に定められた期日を守って退職を申し出る
- 引き継ぎなどのことを考えて、退職が決まればなるべく早く申し出る
仕事を辞めるタイミングを自分の都合だけで、設定しないことが1つ目のコツです、繁忙期がある業種や会社の場合、退職の意思を伝える日や退職日は繁忙期を避けましょう。
また、退職を上司に伝えるタイミングについては、まず『就業規則』を確認してください。法的には2週間前に申し出れば良いのですが、「いきなり辞めるなんて」と反感を買ってしまうと、円満退社につながりません。
就業規則で定められた期間。例えば、『退職の際は、1ヶ月前までに申し出ること』となっているときは、その期日をしっかり守りましょう。
できれば、引き継ぎなどのことも考えて、1ヶ月半から2ヶ月前に退職を申し出ることをおすすめします。
ちなみに私は、管理職についていた時、退職を半年前に申し出ました。このようにあなたが置かれている立場によって、ベストなタイミングがあります。周囲への影響を最小限に抑えるタイミングを図りましょう。
後任者が全く困らない引き継ぎが円満退社のコツ
次に、引き継ぎに関する円満退社のコツです。それは『あなたの退職後スムーズに仕事が進むような準備をしておくこと』。後任の方が、一切困らないようにしてあげましょう。準備しておくと良い資料の具体例はこちらです。
- 担当業務のマニュアル
- 取引先の連絡先の一覧
- 過去に失敗したことや困ったことの対処法
このような資料を準備しておくと、引き継ぎがスムーズに進みます。
また、引き継ぎで重要なのは、後任の方が「後は自分でどうにかなりそう」と安心できることです。特に、過去の失敗や困ったことの対処法があると、後任の方がとても安心できます。ぜひ作ってあげましょう。
1番大事な円満退社のコツは最終日まで責任を持って働くこと
最後に、1番大事な円満退社のコツをご紹介します。それは『最終日まで責任を持って働く』ことです。退職が決まっているからといって、雑な仕事、気が抜けた態度で働いているところを見せられると、周りの人は非常に面白くありません。
退職が決まった時から、最終日までの過ごし方が反感を買うようなものならば、円満に退社することは不可能です。退社日までは、その会社の社員であることに変わりありません。最後まで、自分の仕事、業務に責任を持ち、最後までやり切りましょう。
まとめ
当記事では、仕事の辞め方を詳しく解説し、誰もが知りたい円満退社のコツをお伝えしました。退職の伝え方にしても、円満退社のコツにしても、『自分の都合だけを考えない』ということが大切です。
スムーズに退職するためには、あなたと会社(上司、同僚)が双方納得できる状態でなければいけません。せっかくここまで頑張ってきた仕事ですから、最後に後味の悪い辞め方にせず、気持ちよく次のステップを踏み出しましょう。