語学を生かしてグローバルな活躍ができる貿易事務。留学経験や語学力を生かしたい方に人気のお仕事です。しかし、「どれくらいの英語力が必要なの?」「事務経験がなくても大丈夫?」など、貿易事務に関して疑問を感じていませんか?
そこで今回は、
- 貿易事務の仕事内容・働き方・給与は?
- 貿易事務のやりがい・苦労・向いている人の特徴とは?
- 未経験から貿易事務を目指す方法
についてご紹介します。
貿易事務に興味がある、転職したいとお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。
貿易事務の仕事内容・働き方・給与は?
そもそも貿易事務がどのような仕事で、どんな働き方をしているのかご存知ですか?はじめに、貿易事務の「仕事内容」「働き方」「給与」についてご紹介します。
貿易事務の仕事内容
貿易事務とはメーカーや商社など、輸出入を行う企業で貿易取引に関する事務作業を担当します。電話、メール対応、伝票処理など一般的な事務作業に加え、貿易に関する専門的な業務が多い事が特徴です。
具体的な貿易に関する業務は以下のようなものがあります。
- 貿易書類の作成・処理
- 通関手続き
- 商品の発注・納品管理
- 輸送手段の手配
- 海外の取引先とのやりとり
データ入力作業など、覚えやすい仕事が多い一般的な事務職のイメージとは異なり、貿易事務は輸出入に関する専門知識や語学力が必要な専門職です。
貿易事務の働き方!残業や休日は?
続いて貿易事務の勤務形態・休日・残業など、働き方についてご紹介します。
勤務形態
勤務時間は9:00から18:00の一般的な事務職と同様の企業が多いです。しかし、ヨーロッパなど時差が8時間以上ある国と取引が多い企業では、10:00から19:00までと勤務時間をずらしている場合もあります。
休日
休日は、基本的に土日休みの完全週休二日制。祝日や年末年始などもきちんと休める企業が多いのが特徴です。しかし、外国と取引を行なう貿易事務は、外国と日本の休日が異なる関係で、休日出勤になる可能性もあります。
残業
残業は企業によって異なりますが、月15時間から30時間ほどあると思っておいた方が良いでしょう。企業によっては、時差や、船便の遅れなどの突発的なトラブルが原因で残業が慣習化していることもあります。
また、年度末や決算時期、取引している国が大型連休に入る前は、業務量が多くなり残業が多くなることも。例えば、中国と取引をしている場合は、1月終わりから2月の前半の旧正月の前が繁忙期となります。旧正月に入る前に、必要な仕事を終わらせなければいけないため、残業が増えることも多いです。
貿易事務の給与・年収は?
貿易事務と一般事務では、同じ事務職でも給与に違いがあるか気になりませんか?そこで、貿易事務と一般事務の年収について比較してみましょう。
貿易事務 | 355万円 |
一般事務 | 302万円 |
貿易事務の方が、なんとなく給与が良いイメージですが、その差はなんと約50万円!貿易事務は、貿易に関する知識や語学力などが必要なため、その分給与が高くなると推測されます。もちろん企業によっても給与に差があるので、大手企業などでは年収500万円以上を目指すことも可能です。
貿易事務のやりがい・苦労・向いている人の特徴とは?
海外とのやりとりが多く、かっこいいイメージの貿易事務。一体どんなやりがいや苦労があるのでしょうか?ここからは、貿易事務の「やりがい」「苦労」「向いている人の特徴」についてご紹介します。
貿易事務のやりがい
貿易事務の方にやりがいを聞くと、「仕事を通してスキルアップができること」と答える方が多いです。そこで、現役貿易事務の方が、仕事をしながらどのようなスキルアップができると感じているかご紹介します。
貿易事務を検討している方は、英語や海外に興味がある方が多いと思います。仕事をしながら、語学力が上がるのは「英語を使った仕事をしたい」という方にとっては嬉しいポイントですね。また、仕事で得た知識がプライベートでも活かされるのは個人的に良いなと感じました。貿易事務は、語学力に焦点を当てがちですが、経済に興味がある方にもおすすめです。
貿易事務の苦労
一方、貿易事務では、どのようなことに苦労を感じているのか体験談をみていきましょう。
体験談をみると、海外の方と仕事をする大変さを感じている方が多いようです。同じ日本人同士でも、些細なことで行き違いや勘違いが生じることもありますよね。まして、言葉も文化も違う外国の方なら尚更でしょう。海外を相手に仕事を行う貿易事務は、語学力の向上が常に必要な仕事です。
貿易事務に向いている特徴
貿易事務に向いている特徴は「ルーティンワークが苦手ではない」「マルチタスクが得意」の2つです。それぞれ詳しくみていきましょう。
毎日決まったルーティンワークが苦にならない
「貿易事務に向いている人は英語が得意な人でしょ?」と思った方も多いかもしれません。もちろん語学が得意は大前提。貿易事務は、あくまでも事務職なので、毎日決まった作業を確実にこなすことが大切です。
英語を使った華やかな仕事とイメージされる貿易事務ですが、実際は貿易書類の作成や通関の手続きなどコツコツこなす地味な作業が多く、毎日同じような作業を繰り返します。したがって、変化のない作業やルーティンワークが苦にならない方に向いている仕事です。
マルチタスクが得意
マルチタスクが得意なことは、貿易事務に向いている特徴の1つです。書類作成など、1つ1つの仕事はルーティンワークかもしれません。しかし、複数の取引先をひとりで手続きしなければならないこともあります。
つまり、複数の事務処理を同時にするということです。また、作業中に天候の悪化などで配送トラブルが起きたり、電話が鳴ったりと、突発的な出来事にも対応しなければいけません。
貿易事務は、1つのことを黙々とこなしたい方には不向きですが、物事を同時進行しても頭が混乱しない方に向いています。
未経験から貿易事務を目指す方法
ここからは未経験から貿易事務を目指すために「必要な資格・役立つスキル」「自己PRポイント」「面接でよく質問される内容」を解説します。ぜひ転職を検討中の方は参考にしてみてくださいね。
貿易事務に必要な資格・役立つスキル
貿易事務は資格が必須な仕事ではありません。しかし、貿易事務は専門性やスキルが求められる仕事です。そこで貿易事務にあると役立つ資格やスキルをご紹介します。
あると役立つ資格 |
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貿易実務検定 |
貿易で使われる専門用語、輸出入取引の流れ、書類の役割などの知識を取得できる |
あると役立つスキル |
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英語力 |
TOEIC600点以上 英検2級以上 |
パソコンスキル |
Excel、Wordなどの基本的な操作ができるパソコンスキル |
貿易事務の求人では、語学力を応募条件にしている企業がほとんど。語学力の目安は、TOEIC600点以上、英検2級以上が望ましいです。
また、未経験の場合、知識の証明や、熱意のアピールとして「貿易実務検定」の取得が有効になります。興味がある方は資格取得にぜひチャレンジしましょう。そのほか、営業事務などの経験があると喜ばれる傾向があります。
貿易事務になるための自己PRポイント
貿易事務になるためにアピールしたい自己PRポイントはこちらです。
- 英語力
- 几帳面さ・作業の正確さ
- 知識を学ぶ意欲
英語力や几帳面さは貿易事務に求められる資質なので、英語力ではTOEICのスコア、几帳面さでは、前職の経験などのエピソードなど具体的にアピールしましょう。また、未経験の場合は、知らない知識を学ぶ姿勢は好感を持たれるアピールポイントです。
貿易事務の面接でよく質問される内容
転職活動では、面接を不安に思う方がたくさんいます。「緊張して何を話していいか真っ白になった」という経験がある方も多いのではないでしょうか。そこで、想定される質問に対して、緊張しても話せるよう練習しておきましょう。
最後に、貿易事務でよく質問される内容をご紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。
- なぜ貿易事務に就きたいのですか?
- 前職の業務内容について教えてください
貿易事務は、志望動機や、前職の業務内容などオーソドックスな質問が多い傾向があります。オーソドックスな質問は回答を準備しやすいので、心配しすぎなくても大丈夫です。しかし、事務職では、コミュニケーション能力を重視する企業も多いので、丁寧な受け答えや、面接官と話が弾むかなどには注意しておきましょう。
まとめ
当記事では、貿易事務の「仕事内容」「やりがい」「未経験から目指す方法」などについて解説しました。貿易事務は、得意な語学力を生かすことができる仕事です。また、仕事を通して語学力だけでなく経済や金融の知識などスキルアップができることも魅力的。興味がある方はぜひ検討してみてはいかがでしょうか。