やむを得ない理由により生活が困難な女性とその子どもをサポートする母子支援員。貧困やDVなどに悩む女性と子どもを守る社会貢献度が高い仕事です。しかし、「母子支援員の求人は多いの?」「福祉の学校に行かないとできない?」など母子支援員に関して疑問を感じていませんか?
そこで今回は、
- 母子支援員の仕事内容・働き方・給与は?
- 母子支援員のやりがい・苦労・向いている人の特徴とは?
- 未経験から母子支援員を目指す方法
についてご紹介します。
母子支援員に興味がある、転職したいとお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。
母子支援員の仕事内容・働き方・給与は?
そもそも母子支援員がどのような仕事で、どんな働き方をしているのかご存知ですか?はじめに、母子支援員の「仕事内容」「働き方」「給与」についてご紹介します。
母子支援員の仕事内容
母子支援員は、母子生活支援施設において、配偶者と離別や死別によって生活が困難になったり、配偶者からの暴力などで、家を出ざるを得ない18歳未満の子供を持つ女性に対して支援を行う仕事です。
業務内容は多岐に渡り、具体的には以下のような業務があります。
- 家事育児のサポート
- 女性の就業支援
- 生活保護申請の支援
- 離婚の手続きのサポート
- 子どもに対する学習や遊びの指導
- 心のケア
母子ともに健全な生活を送るために、精神的、経済的な自立をサポートする社会にとって大切な仕事です。
母子支援員の働き方!残業や休日は?
続いて の勤務形態・休日・残業など、働き方についてご紹介します。
勤務形態
母子支援員の勤務形態は、早番、遅番などの交代制の勤務で、週に1回ほど宿直があることが一般的です。例えば、早番では7:30から16:00、宿直の日は9:30から翌日の11:00まで拘束されます。交代制のため不規則な勤務時間となり、生活リズムが崩れやすく、慣れるまでは少し大変かもしれません。
休日
休日は、シフト制で4週8休の週休2日制。年間休日105日から110日の施設が多いです。また、母子生活支援施設という性質上、24時間365日稼働しているため、連休は取りにくい傾向があります。カレンダー通りに休みたい方には不向きですが、平日に休みたい方には向いているお仕事です。
残業
母子支援員の残業時間に関して公表されたデータはありませんが、求人を見ると平均月10時間ほどと記載している募集が多いです。交代制で常に職員がいるため引き継ぎがスムーズにできれば残業は多くないと推測できます。
しかし、幼い子どもと一緒に生活しているので、急な体調の変化など突発的なトラブルの対応で残業が発生することもあります。
母子支援員の給与・年収は?
母子支援員の給与は、地域などで差があるが求人を確認すると17万円から23万円の募集が多いです。年収にすると230万円から320万円ほどになります。日本全体の平均年収461万円から見ると決して高いとはいえない仕事です。
不規則な勤務時間や社会貢献度の高い仕事内容の割に給与は低いと不満を持つ方もいます。
参考:平均給与 – 国税庁
母子支援員のやりがい・苦労・向いている人の特徴とは?
生活が困難な女性や子どもの強い味方である母子支援員。一体どんなやりがいや苦労があるのでしょうか?ここからは、母子支援員の「やりがい」「苦労」「向いている人の特徴」についてご紹介します。
母子支援員のやりがい
母子支援員の方は、どのようなやりがいを感じているのでしょうか。現役母子支援員が感じているやりがいをご紹介します。
人の成長や自立に関わることにやりがいを感じる方が多いようです。2年という施設を利用できる期間が限られているからこそ、利用者の方も母子支援員の方も必死に自立に向かう姿が想像できます。不安定な状態から立ち直ったり、前向きになる姿をそばで見守れるのは母子支援員ならではの醍醐味ですね。
母子支援員の苦労
一方、母子支援員はどのような苦労があるかみていきましょう。
母子支援員の方も人間ですから、名指しで嫌だといわれてしまうと傷ついてしまいますよね。心の傷やトラウマは長い時間をかけないと解消できません。コミュニケーションがうまく取れなくても、諦めず寄り添い続けなければいけないことは、母子支援員の大変なところです。
母子支援員に向いている特徴
母子支援員は、お金よりもやりがいに喜びを感じられる人に向いている仕事です。母子支援員など福祉の仕事には「困っている人を助けたい」「子供が好きなど」の気持ちが重要だと思っていませんか?
もちろん、その気持ちはとても重要ですが、実は、仕事に対してお金ではなく、やりがいに喜びを感じられることが1番大切です。なぜなら、母子支援員は決して高いとはいえない給与の仕事。やりがいや社会貢献に対する達成感に喜びを感じられなければ続けることができないからです。
したがって、仕事に対する対価を求める方には不向きですが、社会貢献できる仕事に生きがいを感じられる方におすすめします。
未経験から母子支援員を目指す方法
ここからは未経験から母子支援員を目指すために「必要な資格・役立つスキル」「自己PRポイント」「面接でよく質問される内容」を解説します。ぜひ転職を検討中の方は参考にしてみてくださいね。
母子支援員に必要な資格・役立つスキル
母子支援員になるために必要な資格はこちらです。
あると役立つ資格 |
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社会福祉士 |
福祉や医療の相談や支援をするために必要な知識や能力が証明できる国家資格 |
保育士 |
専門的知識及び技術をもって、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行う資格 |
精神保健福祉士 |
心の病や悩みを抱えた人相談や日常生活や社会復帰を援助するための必要な知識や能力が証明できる国家資格 |
母子支援員になるには、絶対に必要な資格は定められていません。しかし、社会福祉士または保育士を応募条件にしている求人がほとんどのため、社会福祉士または保育士のどちらかは必須です。また、心のケアが必要な利用者も多いため精神保健福祉士も転職に有利な資格になります。
母子支援員になるための自己PRポイント
母子支援員になるためにアピールしたいポイントは以下の3つです。
- 相手の心に寄り添う懐の広さ
- 忍耐強さ
- 責任感
母子支援員は、貧困やDVなどデリケートな事情を抱える利用者をサポートする仕事です。懐の広さや忍耐強さは、母子支援員にとってなくてはならない資質。過去の経験やボランティア活動など具体的なエピソードを踏まえて、母子支援員に適性があることをアピールしましょう。
母子支援員の面接でよく質問される内容
母子支援施設は全国に272施設しかなく、母子支援員の求人は非常にレア。求人が少ないため、面接を突破するには「母子支援員として働きたい」という熱意を伝えることが大切です。
最後に、面接でよく聞かれる質問をご紹介しますので、どのように受け答えをすれば熱意が伝わるか練習しておきましょう。母子支援員の面接でよく聞かれる質問例はこちらです。
- 母子支援員に興味を持ったきっかけ
- 母子支援員として働く上で大切にしたいこと
志望動機などオーソドックスな質問のほかに、働く上で大事にしたいことなど業務に関する質問もされる傾向があります。業務に関する質問では、自分の信念や取り組み方の姿勢などを具体的なエピソードを入れて話しましょう。具体的なエピソードはマニュアル通りの解答ではなく、オリジナルな回答だと好感を持たれます。
まとめ
当記事では、母子支援員の「仕事内容」「やりがい」「未経験からなる方法」などについて解説しました。母子支援員はさまざまな事情を抱える女性の自立と、子どもの成長をサポートするとてもやりがいのある仕事。
給与の低さや、求人の少なさなどネガティブな要素もありますが、その代わり生きがいや達成感を感じられる魅力があります。興味がある方はぜひ検討してみてはいかがでしょうか。