子供の頃、受験対策や学校の補習に通っていた方も多い学習塾。「子どもが好き」「やりがいがありそう」と興味をお持ちの方も多いでしょう。しかし、「塾ってよく求人で見るけど、一体どんな感じなんだろう」「働く環境は?」などさまざまな疑問が湧いてきませんか?
そこで今回は
- 塾講師の仕事内容・働き方・給料は?
- 塾講師の1日の流れ・やりがい・苦労とは?
- 未経験から塾講師になるための方法
についてわかりやすくご紹介します。ぜひ最後までご覧になり、参考にしてみてくださいね!
塾講師の仕事内容・働き方・給与は?
塾講師は、一体どのような条件で働いているのでしょうか?ここでは塾講師の『仕事内容』『働き方』『給与』についてご紹介します。
塾講師の仕事内容
塾講師の主な仕事内容は『学習指導』と『教室マネジメント』の2つです。それぞれ解説します。
学習指導
学習指導は、受験対策や定期テスト対策など生徒の学力を上げるために授業をすることです。塾の指導スタイルは、教室で一斉に授業を行う集団指導と、生徒に個別で講師がつきマンツーマンで指導する個別指導の2つに分かれます。
どちらも生徒のやる気を引き出して上げながら、生徒のレベルや目標に合わせて指導するのが重要です。また、授業のための教材研究や問題作成、学習スケジュールの管理なども仕事の一環になります。
教室マネジメント
教室マネジメントとは、教室を運営するための仕事です。具体的には以下のような内容になります。
- 保護者面談
- 入塾希望者を集めるための説明会
- アルバイト講師の採用
- 講師の育成
特に、個別指導の塾では、授業はアルバイト講師がメインとなり、正社員はマネジメント業務が主になります。
塾講師の働き方!休日や残業は?
塾講師として働く場合『正社員』と『アルバイト(非常勤講師)』の2つの働き方があります。それぞれの勤務形態についてみていきましょう。
正社員
塾のゴールデンタイムは学校や部活が終わった後の夜になります。そのため、勤務開始は午後からで、13時から22時までの勤務のところが多いです。残業は、1日30分から1時間程度が平均。
休日は、曜日固定で休日が決まっている会社と、社内カレンダーで休日が設定されている会社があります。基本的に日曜日は休みですが、土曜日は出勤のところが多いです。
これまで塾業界は休みが少なく夏休みなどの長期休みは休憩も取れないなどの厳しい労働環境が当たり前とされていましたが、最近は完全週休2日制や残業をなるべくさせないなどの働き改革が進んでいます。
アルバイト(非常勤講師)
アルバイト(非常勤講師)は、担当する授業の時間に出勤し、授業だけを行う働き方です。シフトの自由度が大きく、生活スタイルに合わせて働くことができます。
正社員ではなくアルバイトの雇用形態となり、基本的に残業はありません。学生だけでなく、他の仕事と掛け持ちもしやすいのでダブルワークの方や主婦の方も多いです。
塾講師の給与
塾講師の気になる給与についてみていきましょう。まずは、塾講師と日本の平均月収を比較した表がこちらです。
塾講師の平均月収 | 日本の平均月収 | |
20代 | 23.5万円 | 23万円 |
30代 | 27.5万円 | 29.5万円 |
40代 | 35.5万円 | 33.5万円 |
50代 | 36万円 | 37万円 |
参考:令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況 – 厚生労働省
ほぼ日本の平均月収と同じです。大手塾や個人塾など規模の大きさによって違いますが、一般的に給与の上がり幅はあまり大きくありません。
しかし、規模の大きい塾では、エリアマネージャーなど塾講師から上の役職につくなどで収入アップも可能です。
塾講師の1日の流れ・やりがい・苦労とは?
塾講師の方はどのように毎日を過ごしているのでしょうか?ここからは、塾講師の『1日の流れ』『やりがい』『苦労』についてご紹介します。
塾講師の1日の流れ
塾講師のよくある1日をご紹介します。
個別指導塾で働くAさんの1日
さっそく個別指導塾の教室長として働くAさんの1日を見ていきましょう。
時間 | 仕事内容 | 補足 |
13:00 | 出社 | |
13:30 | ミーティング | 他の教室長と情報交換や夏休みなどの講座に向けた会議をします。 |
14:30 | 保護者との面談や電話対応 | 定期的に塾での様子をお伝えします。保護者からの相談に乗ることもあります。 |
15:30 | 休憩 | 軽食を取ります。 |
16:30 | 教室準備 | 今日の授業の準備をします |
17:15 | 生徒の出迎え | 送迎時に、車が混雑し近所の迷惑にならないよう交通整理することもあります |
17:30 | 授業開始 | 授業中の生徒の様子に目を配ります。 |
21:50 | 生徒の見送り | 安全に帰宅できるよう見送ります。 |
22:00 | 清掃・ミーティング | 簡単に教室の掃除と、今日の授業について講師全員で情報共有をします。 |
23:00 | 退社 | 繁忙期は24時近くになることもあります。 |
塾講師のやりがいは生徒の笑顔を見れること
塾講師のやりがいはズバリ『生徒の笑顔を見れること』です。「志望校に合格した!「テストで良い点数が取れた!」嬉しそうに報告してくれた瞬間は自分のことのようにうれしく、やりがいを感じます。
このように生徒の笑顔をダイレクトに見れるのはこの仕事の醍醐味です。また学習指導を通じて生徒の成長を感じたり、夢を後押しできるやりがいがあります。
塾講師の苦労はクレームの対象になりやすいこと
塾講師の辛いところは、クレームの対象になりやすいことです。一生懸命指導しても、生徒側が必ずしもその熱意に応えてくれるとは限りません。中には、イヤイヤ塾に通っている子もいます。
そのため、成績不振など、保護者からのクレームを受けることも。保護者は「高いお金を払っているのに」という思いがどうしてもあり、塾に対してその怒りをぶつけやすい傾向があります。面と向かってクレームを受けてしまうことは、辛いと感じる瞬間です。
未経験から塾講師になるための方法
ここまでお読みになり、塾講師にチャレンジしてみようと思う方も多いでしょう。そこで、塾講師に『向いている人の傾向』『必要な資格・スキル』『転職するためのテクニック』について解説します。
塾講師に向いているのはコミュニケーション能力が高い人
塾講師に向いているのは『コミュニケーション能力の高い人』です。塾講師は「指導力がある」「勉強が好き」などの方が大事だと思われがちですが、1番大事なのは『コミュニケーション』。
実は、生徒の成績を上げるのは、高い指導力ではなく、生徒のやる気を引き出すことです。やる気を引き出すには、生徒との何気ない会話などコミュニケーションが欠かせません。
また、保護者や他の講師たちと良好な関係を築くためにも必須です。「人と話すことが好き」「明るく人と接することが得意」な方は塾講師に向いています。
塾講師になるために必要な資格・スキル
塾講師には、必要な資格は特にありません。しかし、大学受験や高校受験など難易度の高い指導をする必要があるので、勤めたい塾が求める学力は必要です。そのため、大学卒業の経歴が必須なことが多く、特に教員免許をお持ちの方は優遇されます。
求められるスキルについては、『学習指導可能な学力』『コミュニケーション能力』のほかには生徒の学習計画を立てるなどの『マネジメント能力』が求められます。
塾講師に転職するためのテクニック
塾業界は未経験も積極的に採用し、比較的転職しやすい業界です。その理由は、人手不足。
長年、風習化している長時間労働と、それに対する手当の不十分さから離職率が高めの傾向があるため、塾が求める学力があり、コミュニケーションも問題ないと判断されれば、転職できる可能性は高いでしょう。
ここで大事なのは働きやすい塾をしっかり見極めること!最後に労働環境を見極めるポイントをご紹介します。
- 休日がしっかり確保されているか
- 時間外労働の手当がきちんと支給されるか
求人を見るときにこの2点をしっかり確認しましょう。休日が曜日で固定されているか、シフト制の場合は日数は十分確保されているかをチェックしてください。
休日について『社内カレンダーによる』となっている場合は土日出勤や、繁忙期に休日が少ない可能性があるので要注意。また、時間外手当も必ず見るべき項目です。
特に、古い考え方の塾では長時間労働が当たり前とされており、給与形態を確認すると『みなし残業代』が月給に含まれ、残業時間の管理が曖昧なところもあります。面接時に、残業代支給についてきちんと確認し、働きやすい環境かどうか判断しましょう。
まとめ
当記事では、塾講師の仕事についてご紹介しました。塾講師は、働く時間帯が深夜に及ぶ大変な面もありますが、子供の成長に関わることのできるやりがいのある仕事です。
転職を検討する方は、労働環境などを見極めて自分に合った職場をぜひ探してみてください。当記事が少しでも参考になれば幸いです。