金融業界の花形といわれる金融ディーラー。年齢に関わらず実力があれば高収入を得ることができるため、人気があります。しかし、「金融ディーラーは不安定って本当?」「未経験でも求人はある?」など、金融ディーラーに関して疑問を感じていませんか?
そこで今回は、
- 金融ディーラーの仕事内容・働き方・給与は?
- 金融ディーラーのやりがい・苦労・向いている人の特徴とは?
- 未経験から金融ディーラーを目指す方法
についてご紹介します。
金融ディーラーに興味がある、転職したいとお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。
金融ディーラーの仕事内容・働き方・給与は?
そもそも金融ディーラーがどのような仕事で、どんな働き方をしているのかご存知ですか?はじめに、金融ディーラーの「仕事内容」「働き方」「給与」についてご紹介します。
金融ディーラーの仕事内容
金融ディーラーとは銀行や証券会社などの金融機関で、クライアントや自社の資金を元手に外国為替や債権、株式などの売買を行い利益を出す仕事。扱う取引によって呼び名が変わるのが特徴で、例えば、外貨を売買する為替ディーラー、債券を売買するボンドディーラーなどが代表的です。
扱う取引が違うだけで、それぞれのディーラーの目的は「相場の動きを予測・分析し最大限の収益を上げ、顧客に還元すること」と共通しています。世界の社会情勢、金融情勢に敏感になり、情報収集を欠かさず、的確に分析する能力が求められるお仕事です。
金融ディーラーの働き方!残業や休日は?
続いて金融ディーラーの勤務形態・休日・残業など、働き方についてご紹介します。
勤務形態
所属する企業の就業規則によるが、8:40から17:30前後の一般的な金融機関の勤務時間と同様です。ただし、為替ディーラーの場合は、24時間為替市場が動いているため3交代制の勤務になります。
例えば、東京マーケット勤務では、7:00~14:00 、ロンドンマーケット勤務が4:00~22:00 、ニューヨークマーケット勤務が22:00~6:00の3交代制で、1週間ずつ交代して勤務する企業も多いです。
休日
休日は、基本的には土日祝日の完全週休二日制。年間休日は約120日と比較的休日が多いです。
しかし、為替市場などは年末年始なども多少の動きがあります。休みの間に悪いニュースが飛び込んでくることも少なくありません。世界情勢に不安があるときは、休日など関係なく出社していることも多いです。その代わり、値動きが少ない時を見計らって休暇を取ることが多い傾向があります。
残業
金融ディーラーの明確な残業時間は担当する業務、企業によって異なりますが、厚生労働省が運営する職業情報提供サイトjobtagを参考にすると、金融ディーラーが属する「有価証券売買・仲立人、金融仲立人」の労働時間は月165時間です。
1日8時間の労働時間と仮定すると1ヶ月の労働時間は160時間なので、比較的残業時間は少ないことが予測されます。しかし、値動きによる相場の変化や情報収集などに早朝から出社する方も多いです。その場合、残業が多くなることもあります。
金融ディーラーの給与・年収は?
高収入といわれる金融ディーラーの給与についてみていきましょう。金融ディーラーと日本の平均年収を比較した表はこちらです。
金融ディーラー | 日本全体 | |
平均年収 | 744万円 | 461万円 |
参考:平均給与 – 国税庁
参考:【165の職種別】平均年収ランキング 最新版 – DODA
大手転職サイトdodaの調査によると、金融ディーラーの平均年収は744万円と日本の平均年収を大きく上回ります。年収は企業や実績によって個人差があることが特徴。例えば、日系大手のメガバンクや証券会社では、30代前半で年収1,000万円を突破し、40代1,500万円、50代で2,000万円ほどともいわれています。
また、外資系企業では実力次第で5000万円も可能。しかし、成果を出せなければクビや部署異動されることもあり、シビアな世界です。
金融ディーラーのやりがい・苦労・向いている人の特徴とは?
1日中チャートに張り付いているイメージの金融ディーラー。一体どんなやりがいや苦労があるのでしょうか?ここからは、金融ディーラーの「やりがい」「苦労」「向いている人の特徴」についてご紹介します。
金融ディーラーのやりがい
金融ディーラーのやりがいは、自分の腕1本で、巨額の利益を生み出せるところです。金融ディーラーは企業の資金を使って取引を行うため、扱う金額は個人投資家とは桁違い。タイミングが良ければ1日で何億もの利益を生み出すことが可能です。
また、大きな利益を出せればダイレクトに自分の収入に反映されることも魅力的。
常にリスクと隣り合わせですが、自分の判断1つで莫大な利益を出した瞬間は、金融ディーラーにしか味わえない充実感や達成感があります。
金融ディーラーの苦労
金融ディーラーの大変なところは、利益を出し続けなければいけないプレッシャーが常にあることです。1日で巨額の利益を生み出せることの裏を返せば、1日で何億もの損失を出してしまう可能性もあるということ。
損失を出すことのプレッシャーもさることながら、金融ディーラーの世界はシビアで、取引の成否が自分の能力評価に直結してしまう怖さもあります。
利益や成果が出せなければ、数年で失職することも珍しくありません。金融ディーラーとして活躍し続けるためには、相場を読み間違えられないストレスや結果を出し続けるプレッシャーが重くのし掛かります。
金融ディーラーに向いている特徴
金融ディーラーに向いている特徴は以下の3つがあります。
- プレッシャーに強い人
- 失敗を引きずらない人
- 分析力がある
金融ディーラーは取引の成果が自分の評価に直結するため常にプレッシャーとの戦いです。つまり、プレッシャーに打ち勝つストレス耐性やプレッシャーを楽しめる人に向いています。
しかし、ただ単にガッツがあるだけでなく、失敗した時にも冷静に原因を追求し、挽回することも大切です。クヨクヨと失敗を引きずらず、むしろ失敗をバネにできる冷静さを持ち合わせている必要があります。
もちろん、利益を出すには、世界情勢や相場を読む「分析力」は必要不可欠。「プレッシャーに強い」「失敗を引きずらない」「分析力がある」の3つは金融ディーラーが持っておくべき特徴です。
未経験から金融ディーラーを目指す方法
ここからは未経験から金融ディーラーを目指すために「必要な資格・役立つスキル」「自己PRポイント」「面接でよく質問される内容」を解説します。ぜひ転職を検討中の方は参考にしてみてくださいね。
金融ディーラーに必要な資格・役立つスキル
金融ディーラーになるために特別必要な資格はありません。しかし、金融商品や投資に関する知識が当然必要です。そこで、金融ディーラーを目指すためにあると役立つ資格やスキルをご紹介します。
あると役立つ資格 |
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証券アナリスト |
⾦融・投資のプロフェッショナルに必要な投資価値の分析・評価を⾏うためのスキルや、経済、資本市場や⾦融商品の仕組み、ファイナンス理論に⾄るまで、専門的な知識や分析技術を体系的に幅広く習得する |
あると役立つスキル |
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英語力 |
外貨の取引など、英語が必要になる場面で問題なくコミュニケーションをとれる英語力 |
基本的に金融ディーラーの仕事は、いきなり就ける職種ではありません。未経験から目指すには、金融機関で営業などの実績・経験を積んでから部署異動で金融ディーラーになるケースが一般的です。金融ディーラーを目指したい方は、まずは営業職などで金融機関に転職することを目標にしましょう。
金融ディーラーになるための自己PRポイント
金融ディーラーになるための自己PRポイントはこちらです。
- 相場を読む分析力
- 計算や分析することに対して苦手意識がない
- 結果にこだわる姿勢
分析力や結果にこだわる姿勢は、金融ディーラーも求められる資質です。未経験から金融機関に応募するときは、営業など金融ディーラー以外の職種かもしれません。そこで分析力などをアピールして、ゆくゆくは金融ディーラーを目指したい目標を併せて伝えると良いでしょう。
金融ディーラーの面接でよく質問される内容
金融業界でよく聞かれる3つの質問をご存知ですか?その3つの質問は以下になります。
- なぜ金融機関を志望するのか?
- 金融機関の中でも銀行、証券会社、生命保険etc…を志望するのか?
- なぜ競合と比較してうちの会社を志望するのか?
金融業界は取り扱う商品や、業務内容が似通っています。同じような業務内容のため「なぜこの企業じゃないとダメなのか」という差別化が必要です。上記の3つの質問にしっかり答えるために、応募企業の特徴や他社との違いをきちんと企業研究しておきましょう。
まとめ
当記事では、金融ディーラーの「仕事内容」「やりがい」「未経験から目指す方法」などについて解説しました。金融業界の花形である金融ディーラーは、計り知れないプレッシャーと引き換えに、高収入を得ることができる魅力的な仕事です。
しかし、簡単に金融ディーラーになることはできず、下積みも必要になります。金融ディーラーに興味がある方は、まずは金融業界へ転職することを検討してみてはいかがでしょうか。