富裕層の資産に関する相談を一手に引き受けるプライベートバンカー。あまり聞きなれない職種ですが、近年、規制緩和や金融商品の多様化などにより注目を浴び始めています。
しかし、「金融の個人営業と違うの?」「未経験からいきなりプライベートバンカーになれるの?」など、プライベートバンカーに関して疑問を感じていませんか?
そこで今回は、
- プライベートバンカーの仕事内容・働き方・給与は?
- プライベートバンカーのやりがい・苦労・向いている人の特徴とは?
- 未経験からプライベートバンカーを目指す方法
についてご紹介します。
プライベートバンカーに興味がある、転職したいとお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。
プライベートバンカーの仕事内容・働き方・給与は?
そもそもプライベートバンカーがどのような仕事で、どんな働き方をしているのかご存知ですか?はじめに、プライベートバンカーの「仕事内容」「働き方」「給与」についてご紹介します。
プライベートバンカーの仕事内容
プライベートバンカーとは、資産1億円以上の富裕層をターゲットに資産の管理・運用、不動産、相続などの相談を受けるスペシャリストです。相談内容は金融資産の管理や運用だけでなく、事業継承などのビジネスに関わるケースや、相続や老後のライフプランなどのプライベートな相談まで多岐に渡ります。
相談内容が多岐に渡るため、投資、税金、不動産、法律などの幅広い知識が必要です。主な勤務先は、外資系のプライベートバンクや、銀行や証券会社など金融機関のプライベートバンク部門またはウェルスマネジメント部門になります。
プライベートバンカーは日本でまだ知名度が低いですが、大手や外資系の金融機関を中心にプライベートバンキング事業に力を入れており、これから期待されているお仕事です。
プライベートバンカーの働き方!残業や休日は?
続いてプライベートバンカーの勤務形態・休日・残業など、働き方についてご紹介します。
勤務形態
プライベートバンカーの勤務時間は、企業によって異なりますが、9:00〜18:00前後。一般的な金融機関の会社員と同じです。しかし、クライアントの都合に合わせるため、平日の夜間や休日などに訪問が入るなど、不規則な勤務になることもあります。
休日
休日は、土日祝日休みの完全週休二日制です。金融業界の営業職は激務のイメージがある方も多いと思います。しかし、銀行などは不正防止の観点から1年に1回、連続して1週間休暇を取らなければならない決まりがあることはご存知でしょうか?
そのため、金融業界は実は休暇が取りやすく、ほとんどの金融機関で年間休日が120日以上と休日が多いです。
残業
大手転職サイトdodaによると、金融機関の個人営業の残業時間は月平均13.4時間。もちろん企業によるので一概にはいえませんが、比較的残業は少ないです。
ただし、勤務形態でも述べたように、クライアントを夜間に訪問するなど残業になることもあります。しかし、銀行などの金融機関は働き方改革によって、残業時間の削減に力を入れている傾向が強いです。例えば、フレックス制度などを取り入れ、残業時間削減の対策が行われています。
参考:平均残業時間ランキング【最新版】 今の仕事の残業は少ない?多い?
プライベートバンカーの給与・年収は?
プライベートバンカーの正確な平均給与のデータはありませんが、求人を確認すると800万から1500万円の募集が多く、非常に高収入。中には2000万の求人もあるなど相当な夢があるお仕事です。高収入になる理由は、高度な専門知識が必要なことや、顧客が富裕層のため扱う金額が大きいことが考えられます。
高収入な代わりに、求められる知識やスキルが大きいため簡単にはなれませんが、金融系の営業を極めたい猛者はチャレンジするのも良いでしょう。
プライベートバンカーのやりがい・苦労・向いている人の特徴とは?
富裕層の心強い味方であるプライベートバンカー。一体どんなやりがいや苦労があるのでしょうか?ここからは、プライベートバンカーの「やりがい」「苦労」「向いている人の特徴」についてご紹介します。
プライベートバンカーのやりがい
プライベートバンカーは一体どのようなやりがいを感じているのでしょうか?現役プライベートバンカーに仕事のやりがいや魅力を尋ねると、以下のような声が挙げられます。
普段の生活では関わることのない富裕層の方との人脈が築けること。人生の財産になります
各分野の専門家と互角の知識を身につけ、それを活用してお客様の期待に応えた時は大きな満足感が得られます
総資産の詳細や資産運用についての考えなど、個人のデリケートな情報を扱う仕事ですので、深い信頼関係の上で成り立つ仕事です。ですから資産運用をお任せいただいた時は自分の提案力、人間性が評価されたという喜びを味わえます
富裕層をターゲットとするプライベートバンカーは、顧客のプライベートを守りつつ大切な資産を管理する仕事です。その役割から、顧客との信頼関係を築き、任せていただけることにやりがいや喜びを感じる方が多いようです。
プライベートバンカーの苦労
プライベートバンカーの苦労は営業のプレッシャーに耐えられないことです。営業職あるあるですが、ノルマや成果に対するプレッシャーは計り知れないものがあります。
プライベートバンカーは、富裕層の顧客に献身的なサポートをするため、1人が担当する顧客は少ないです。しかし、担当する人数が少ないからといって、ノルマが緩くなるわけではありません。
例えば、「1年で20億円の預かりを集めてこい」と大きな目標を課せられることもあります。また、取り扱う金額や規模も大きいため、成果に対する評価の目も非常にシビア。大きな金額を動かす楽しさや充実感がある反面、尋常じゃないプレッシャーを常に受け続けることはプライベートバンカーの大変なところです。
プライベートバンカーに向いている特徴
プライベートバンカーに向いている特徴は以下の3つです。
- 勉強熱心
- 人の懐に入るのがうまい
- 誠実である
それぞれ詳しくみていきましょう。
勉強熱心
プライベートバンカーは勉強熱心な方にピッタリな仕事です。プライベートバンカーには、資産運用に関する金融知識、税金の知識、相続に関する法律の知識など、それぞれの知識が税理士でも活躍できるくらいに専門家並みの知識が求められます。また、新しい金融商品もどんどん発売されますし、法律の改正もあります。したがって常に学び続ける勉強熱心さが必要です。
人の懐に入るうまさ
プライベートバンカーは、顧客との信頼関係がとても重要!つまり、顧客に気に入られ、相手の懐に入るうまさが必要です。相手に気に入られるためには、相手をおだてて、下手に出れば良いわけではありません。
顧客が「この人になら任せてもいいかな」と思える正しい知識を持ち、本当に相手のためになる提案をすることが大切です。信用が大事なプライベートバンカーは、相手との関係を深める人付き合いの上手な方に向いています。
誠実であること
信頼関係を築くことにもつながりますが、誠実な方はプライベートバンカーに向いています。プライベートバンカーは、富裕層をターゲットにするため、より一層プライバシーを守る意識や高いコンプライアンス意識が重要。したがって、法律やルールを守り、誠心誠意対応できることはプライベートバンカーに向いている特徴です。
未経験からプライベートバンカーを目指す方法
ここからは未経験からプライベートバンカーを目指すために「必要な資格・役立つスキル」「自己PRポイント」「面接でよく質問される内容」を解説します。ぜひ転職を検討中の方は参考にしてみてくださいね。
プライベートバンカーに必要な資格・役立つスキル
プライベートバンカーになるために絶対に必要な資格はありません。しかし、求人を見ると応募条件に証券外務員資格などを必須資格とする場合が多いです。そこで、プライベートバンカーになるためにあると役立つ資格をご紹介します。
あると役立つ資格 |
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プライベートバンカー資格 |
富裕層営業実務に直結する内容を学習できる資格 |
証券外務員資格1種 |
金融商品を扱うために持たなければいけない資格 |
ファイナンシャルプランナー |
マネープランを設計するための知識を証明合する資格 できればFP技能士1級または同等の資格の取得が望ましい。 |
宅建(宅地建物取引士) |
不動産取引に関する国家資格 |
プライベートバンカーは金融、不動産、税金などの幅広い知識が求められ、上記の資格は知識があることの証明になります。
また、プライベートバンカーは豊富な知識や営業スキルを求めているため、応募条件に金融機関での営業経験が必須。金融業界未経験の方は、まずは金融機関の営業職へ転職を目指しましょう。
プライベートバンカーになるための自己PRポイント
プライベートバンカーになるための志望動機や自己PRでアピールしたいポイントはこちらです。
- これまでの営業実績
- なぜプライベートバンカーになりたいのか
- 専門知識などのスキルの高さ
プライベートバンカーは、金融機関での営業経験が必須の求人がほとんどです。プライベートバンカーの適性をアピールするには、営業実績などわかりやすく数字で表すことが1番!まずはこれまでの実績を洗い出し、いかに会社に貢献できるかをアピールしましょう。
プライベートバンカーの面接でよく質問される内容
面接は緊張してうまく話せなくなりがちです。面接対策として、質問に対する受け答えを練習して自信をつけましょう。最後に、プライベートバンカーの面接でよく質問される内容をご紹介します。
- あなたの弱みは何ですか?またその理由は?
- 会社に対しどのような貢献ができますか?
- 仕事の進め方における自分の特徴は?
日系企業では、割とオーソドックスな質問、外資系では、「他にも優秀な人がいる中あなたを採用する理由は?」度胸を試されるような質問もある傾向があります。
また、金融商品の説明など専門知識を問う質問をされる可能性もあるので、どのような質問が来ても自信を持って話せるようにしておきましょう。
まとめ
当記事では、プライベートバンカーの「仕事内容」「やりがい」「未経験から目指す方法」などについて解説しました。プライベートバンカーは、日本では馴染みが浅いですが、これからさらに注目されるお仕事です。金融営業の最終地点として目標に掲げるのも良いでしょう。興味がある方は、ぜひ当記事を参考に検討してみてくださいね。