妊婦さんと赤ちゃんの2人の命に責任を持たなければならず、日々のプレッシャーが大きいイメージがある助産師。毎日赤ちゃんを取り上げなければならず大変という声もあります。
しかし、「資格取得は難しい?」「開業できる?」など、助産師に関して疑問を感じていませんか?
そこで今回は、
- 助産師の仕事内容・働き方・給与は?
- 助産師の1日の流れ・やりがい・苦労とは?
- 未経験から助産師になる方法
についてご紹介します。
助産師に興味がある、転職したいとお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。
助産師の仕事内容・働き方・給料は?
そもそも助産師がどのような仕事で、どんな働き方をしているのかご存知ですか?はじめに、助産師の「仕事内容」「働き方」「給料」についてご紹介します。
助産師の仕事内容
助産師の仕事は、妊婦さんの出産に立ち会い赤ちゃんを取り上げることです。
出産のサポートだけでなく、妊娠中や出産後の健康指導、新生児のサポートまで幅広く対応。特に母子に異常のない正常分娩であれば、医師の指示なしに対応できます。
最初は大きな病院でキャリアをスタートすることが多いですが、経験を積んで自分で助産院を開業するのも選択肢のひとつです。
助産師の働き方!休日や残業は?
助産師は、分娩の多い日には1~2時間の残業をすることも多いです。ただし最近は働き方改革の流れで残業を減らす取り組みをしている病院も多くなっています。
経験年数の少ない助産師の場合、さらに残業が多くなる傾向も。最初は覚えることが多いので、体調管理をしっかりしながら無理せずスキルを身に着けていくのが大切です。
一方で、助産師はシフト制をとることが多いので、人の少ない平日に休みをとれます。平日にゆっくりとプライベートの時間を過ごせるのは助産師で働くメリットのひとつ。
助産師は分娩の多い日には残業が多くなるつらさがあるものの、人の少ない平日に充実した時間を過ごせる仕事です。
助産師の給料・年収は?
助産師の平均年収は約554万円で、看護師の499万円と比べると助産師の方が高い水準です。助産師として年収を上げるためには3つの方法があります。具体的には、
- 管理職になる
- 転職する
- 開業する
の3つです。
まずは、助産師としての経験を積んで管理職を目指すのがおすすめ。役職に伴う手当が支給されることがあるため、スキルを磨いて経験を積むのが年収アップの近道です。
また、助産師は人手不足なので、他の条件の良い職場に転職するのもひとつの手段。さらに、経験を積んでいけば助産院を開業できます。開業した助産院を経営を軌道に乗せるのは難しいですが、その分大きな収入を得られる可能性が高いです。
参考:賃金構造基本統計調査 令和3年賃金構造基本統計調査(順次掲載予定) 一般労働者 職種 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口 (e-stat.go.jp)
助産師の1日の流れ・やりがい・苦労とは?
分娩の件数によっては残業も多くなる助産師。一体どのような1日を過ごしているのでしょうか?今回は助産師の1日の流れを解説しながら、「やりがい」「苦労」についてご紹介します。
助産師の1日の流れ
ある助産師について、1日の流れを見てみましょう。
8:00 | 出勤 |
8:30 | 朝礼、申し送り |
9:00 | 患者さんへの挨拶、回診介助 |
9:30 | 助産ケア、分娩介助、バイタルチェック |
12:00 | ランチ |
16:30 | 夜勤者へ申し送り |
17:30 | 勤務終了 |
この日のシフトは日勤です。朝に出勤したら、まずは朝礼に参加し夜勤者からの申し送りを確認します。患者さんへの挨拶を行い、医師の回診補助を実施。
その後は随時、出産後1~2時間の妊婦さんに対し、体温や脈拍、血圧などのバイタルチェックを行ったり、分娩の介助を行います。夕方になったら夜勤者への申し送りを行い、定時になったら勤務終了です。
助産師のやりがいは「新しい命の誕生に立ち会えること」
助産師のやりがいは、赤ちゃんという新しい命の誕生に立ち会えることです。
赤ちゃんの誕生は家族の幸せそのもの。助産師は家族の新しい幸せが誕生する瞬間に何度でも立ち会える素敵な仕事です。
現代では出生数がどんどん減っており、2021年は約84万人と6年連続で過去最少を記録。助産師はそんな中でも子どもの誕生という貴重な瞬間に立ち会えるため「生まれてきてくれてありがとう」と日々感謝の気持ちを感じられます。
助産師は、日々子どもの誕生に立ち会える、家族の幸せや感謝の気持ちを実感できるやりがいのある仕事です。
参考:21年の出生数、過去最少84万人 コロナ禍で少子化加速: 日本経済新聞 (nikkei.com)
助産師の苦労は「出産にともなう命の危険に立ち会うこと」
助産師の苦労は、赤ちゃんや妊婦さんの命の危険に立ち会わなければいけないことです。
医療技術が発達するのに伴い出産のリスクは減ってきていますが、現代でも10万人の出産につき5人の死亡が発生してしまうのが現実。助産師として仕事をしていると、時に命の危険に立ち会うケースが出てきてしまいます。
また出産では、不適切な出産方法を選ぶとリスクの大きい危険な出産になりかねません。ひとつの例として、1回目の出産を帝王切開で行った場合、2回目の出産を自然分娩で行うと1%の人に子宮破裂してしまうリスクがあります。
多くの病院では1%はリスクが高いと判断して2回目も帝王切開をおすすめしますが、中には自然分娩を選択し、子宮破裂で死亡してしまうケースも。助産師は時に妊婦さんや赤ちゃんの命の危険に立ち会うこともあり、精神的にきつい仕事です。
参考:日本の安全安産度は世界一!?お産のリスクを減らす方法-おむつのムーニー 公式 ユニ・チャーム (moony.com)
未経験から助産師になるための方法
ここからは未経験から助産師になるために「向いている人の特徴」「転職するための心構え」「転職テクニック」を解説します。ぜひ転職を検討中の方は参考にしてみてくださいね。
助産師に向いているのは「妊婦さんの心に寄り添える」人!
助産師に向いているのは、妊婦さんの心に寄り添える温かい心を持っている人です。
分娩介助は昼夜を問わず発生するため、助産師の仕事は肉体的にも精神的にもタフでないと務まりません。深夜の対応など自分も疲れていてつらい状況でも、妊婦さんのつらさ、大変さに配慮できる気遣いが必要です。
例えば、開業助産師は勤務時間外でも連絡が来れば、分娩介助に向かわなければなりません。1日の仕事を終えてくたくたに疲れている中でも、出産は待ってくれません。妊婦さんと赤ちゃんの2人の命に責任をもって、出産に立ち会い、赤ちゃんを取り上げます。
その際、命がけの出産を乗り越える妊婦さんのつらさに寄り添い、不安や恐怖を取り除けるようなメンタルケアをするのも重要です。助産師は自分の労働環境も過酷な中で、常に妊婦さんのつらさに寄り添って出産のお手伝いができる人に向いています。
助産師になるために必要な資格・スキル
助産師になるためには、助産師の国家資格に合格することが必要です。
助産師の国家資格を取得するためには、看護師の資格を取得してから助産師養成学校で1年以上学習し、知識と技術を得る必要があります。
助産師の資格、看護師の資格ともに、合格するためにはしっかりと時間をかけて学習しなければいけません。勉強量も多く忙しくなってしまうため、覚悟を持って取り組まなければ最後まで勉強を継続するのは難しいものです。
助産師になりたいという気持ちが強くある場合は、計画的に学校に通って学習に集中し、資格の取得を進めていってください。
助産師に転職するためのテクニック
助産師に転職を考える人の中には、看護師の方も多くいらっしゃるかもしれません。
大学時代に助産師の養成課程を専攻していない場合、まずは助産師養成学校に通う必要があります。ただし実習があり通信制の学校では取得できないため、看護師の仕事と並行して取得するのは難しく、一度仕事を辞めるのも選択肢のひとつです。
ただし、退職する前に病院の制度を確認してみましょう。病院の中には進学に伴った休職制度があったり、出張扱いにして給与支給してくれるところもあります。退職前にその制度を利用できないか検討したり、先に制度が充実している職場を探して看護師として転職しておくのもありです。
まとめ
今回は、助産師の仕事内容から転職方法まで詳しく解説してきました。助産師は日々赤ちゃんと妊婦さんの命に責任感のあるプレッシャーの大きい仕事ですが、命の誕生という貴重な瞬間に立ち会える素敵な仕事です。
妊婦さんの心に寄り添える方は、助産師への転職にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。良い転職活動になることをお祈りしております!