WEBサイト制作の総監督とも言えるWEBディレクター。近年のWEB業界の盛り上がりとともに転職希望者が増えている職種の1つです。しかし、ディレクターという聞きなれない単語のため「実際どんな仕事をするの?」「どのような働き方をしているの?」とWEBディレクターに関して疑問に感じていませんか?
そこで今回は
- WEBディレクターの仕事内容・働き方・給料は?
- WEBディレクターの1日の流れ・やりがい・苦労とは?
- 未経験からWEBディレクターになる方法
についてご紹介します。
WEBディレクターに興味がある、転職したいとお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。
WEBディレクターの仕事内容・働き方・給料は?
そもそもWEBディレクターがどのような仕事で、どんな働き方をしているのかご存知ですか?はじめに、WEBディレクターの「仕事内容」「働き方」「給料」についてご紹介します。
WEBディレクターの仕事内容
WEBディレクターの仕事内容を一言で表すとWEBサイト制作の総監督。
例えば、プログラマーやWEBデザイナーなど制作に関わるスタッフ達をまとめ、「こんなWEBサイトを作りたい」というクライアントの要望に合ったWEBサイトを作り上げることがミッションです。
具体的な仕事内容は、
- クライアントとの打ち合わせ
- コンセプトや企画の作成
- スケジュールの進行管理
- 予算の管理
- 制作チーム編成、作業の指示
などがあります。WEB制作の責任者として、なくてはならない存在です。
WEBディレクターの働き方!休日や残業は?
WEBディレクターの働き方は「WEB制作会社」と「事業会社」の2つのパターンがあります。それぞれについて詳しくご紹介します。
WEB制作会社
WEB制作会社に勤務するWEBディレクターの勤務時間は1日8時間と一般的です。しかし、残業時間は月平均32.5時間と平均残業時間の多い職種ランキングで2位にランクインするなど労働時間は長め。
休日は土日祝休みの完全週休2日制が基本ですが、休日に制作スタッフが作業している場合、相談や確認の電話が鳴ることもあります。
クライアントありきの仕事のため、納期間際になると、休日出勤や深夜まで残業することも珍しくありません。
その代わり、フレックスタイム制を採用する会社も多く、始業時間を遅くできるなど柔軟な働き方ができる自由さがあります。
さまざまなクライアントと関わるため、「納期に追われる」などのプレッシャーが多いですが、「自分で勤務時間を調整したい」と考える方に適した働き方です。
事業会社
事業会社のWEBディレクターは、自社メディアを運営するWEB系事業会社や企業のWEB担当者として勤務する働き方です。
勤務時間は、1日8時間、残業時間も10時間から20時間以内と少なめ。休日も勤める企業の就業規則に則っており、完全週休2日制が多くしっかりと休日が確保されています。
4月9月などサイトのリニューアルが多く行われる時期は、残業が多くなる場合もありますが、WEB制作会社に比べて、依頼主が自社のため納期やスケジュールにがゆるいのが特徴です。
WEBディレクターとして多くの経験を積みたい方には不向きですが、「1つの事業にじっくり関わりたい」「ワークライフバランスを重視したい」方におすすめします。
WEBディレクターの給料
WEBディレクターの給料について、日本の平均年収と比較した表は以下になります。
WEBディレクター | 日本の平均年収 | |
全体 | 448万円 | 433万円 |
20代 | 361万円 | 311万円 |
30代 | 457万円 | 419万円 |
40代 | 551万円 | 484万円 |
50代 | 584万円 | 516万円 |
参考:【165の職種別】平均年収ランキング 最新版 |転職ならdoda …
WEBディレクターは専門知識が必要な専門職のため、日本の平均年収よりも年収が高い傾向があります。また、WEB業界の市場は今後さらに拡大すると予測。したがってWEBディレクターの需要も増えていくため、平均年収の更なる増加が期待できます。
WEBディレクターの1日の流れ・やりがい・苦労とは?
IT系でキラキラしたイメージのWEBディレクター。一体どのような1日を過ごしているのでしょうか?今回はWEBディレクターの1日の流れを解説しながら「やりがい」「苦労」についてご紹介します。
WEBディレクターの1日の流れ
実際にWEBディレクターはどのような1日を過ごしているのでしょうか?とWEB制作会社と事業会社それぞれに勤務するWEBディレクターの1日の流れをご紹介します。
広告代理店兼WEB制作会社でWEBディレクターをしているAさんの1日
WEB制作会社でデザインから営業提案までこなすAさんの1日を早速みていきましょう。
時間 | 仕事内容 | 補足 |
9:30 | 出社 | いつも出社はギリギリです。電車通勤なので電車の中でメールチェックを済ませています |
9:40 | メールの返信 | 出社後クライアントからのメールの返信作業を終わらせます |
10:00 | 提案資料のチェック・見直し | 今日はクライアントへの訪問があるので、提案資料の確認と手直しをします |
11:00 | 制作物のチェックと修正指示 | デザインチームから上がってきたSNS広告用バナーのチェックをして、修正があれば指示を出します |
12:00 | ランチと移動 | クライアント先への移動がてらランチを取ります |
13:30 | クライアント訪問 | 資料をもとに、どのようなWEBサイトを作成するか提案します |
16:00 | 営業部門と打ち合わせ | 営業担当と情報共有や見込み案件についての確認を定期的に行います |
17:00 | 提案資料作成・デザイン作業 | 打ち合わせ後に見込み案件のサイトデザインの提案資料をざっと作成。その後明日までに上げないといけないページの修正があったのでデザイン作業をしていました。デザイナー出身なので簡単な修正は自分で担当します |
23:00 | 退社 | 明日締め切りの仕事なので残業になってしまいました。クライアントありきなので、納期が迫れば残業の日が多くなります |
ある通信系サービス会社で自社サイト運営を担当するWEBディレクターBさんの1日
時間 | 仕事内容 | 補足 |
9:15 | 出社・メールチェック | 出社後メールを確認しておきます |
9:30 | 全体朝礼 | 部署をまたいだ会社全体の朝礼に参加します |
9:40 | 部署ミーティング | 所属するマーケティング部のミーティングで進捗の確認をします |
10:00 | データのチェック | 自社サイトのPV数などのデータをチェックし改善点がないか考えます |
11:00 | 作業の依頼 | WEBデザイナーに先日決まった改善事項を指示書にしたものを説明し、修正作業の指示を出します |
11:30 | 更新作業 | 写真の差し替えなど簡単な更新作業を自分で行います |
12:00 | 新コンテンツの構成を練る | 自社サイトの新コンテンツを作る予定なので、構成を練ります |
13:00 | ランチ | |
14:00 | 協力会社とのミーティング | 自社サイトのプロモーションを委託している協力会社と今後の広告戦略について打ち合わせをしました |
15:30 | 引き続き新コンテンツの構成 | |
16:30 | 役員へ状況報告 | 先月の売り上げなどと比較し、今月の状況について報告します |
17:00 | スタッフへフィードバック | 役員との報告会の内容をスタッフに共有します |
18:00 | 制作物のチェック | デザイナーから上がってきた制作物をチェックし、修正があれば指示書を作ります |
19:00 | メールチェック | 退社前にメールのチェックをします |
19:30 | 退社 | 大体いつもこのくらいの時間に退社します |
WEBディレクターのやりがいは必要とされていると実感できる瞬間
Webディレクターがやりがいを感じるのは、公開されたWEBサイトが多くの人に見られ「必要とされている」と実感できる瞬間。
苦労して完成したWEBサイトが、目標とするPV数などを達成し多くの人から見てもらうことで、「このサイトが誰かの役に立っている」と初めて実感できます。
例えば、商品購入のためのWEBサイトを完成させる場合、規模にもよりますが、時には半年以上の時間をかけることも。
もちろん、スタッフたちと力を合わせ、サイトが完成した時の喜びはひとしおです。完成の喜び以上に「商品購入数が増えた」など結果が出た時は、さらに大きな達成感を得られます。
訪問者数の増加やコンバージョンの達成など結果が反映された時がWEBディレクターが大きなやりがいを感じる瞬間です。
WEBディレクターの苦労はクライアントと制作チームの板挟み
一方、WEBディレクターの苦労は、「クライアントと制作チームの板挟みになること」です。
クライアントの要望は、クリエイター側からすると無理難題な場合もあります。時には、意見が対立し、スムーズに制作が進まないことも。
その場合、板挟みにされるのはWEBディレクターです。お互いを納得させる落とし所を見つけるだけでも一苦労なうえ、双方から厳しい言葉をいわれる場合もあります。
自分は悪くないのに、厳しい立場に立たされ「もうやってられない!」と嫌気が差す方も多いです。
未経験からWEBディレクターになる方法
ここからは未経験からWEBディレクターになるために「向いている人の特徴」「必要なスキル・資格」「転職テクニック」を解説します。ぜひ転職を検討中の方は参考にしてみてくださいね。
WEBディレクターに向いている人の特徴2選
WEBディレクターに向いている人には「リーダーシップがある」「勉強熱心」という特徴があります。それぞれについて解説していきましょう。
リーダーシップがある
WEBディレクターはリーダーシップが必須です。WEBデザイナーやプログラマーなど、何人ものメンバーをまとめ、同じ目標に向かって進むにはリーダーシップや責任感がなければメンバーがついてきません。
つまり、リーダー気質の人、人の中心に経つのが好きな人はWEBディレクターに向いています。前職や学生時代にリーダーシップを取り、何かを成し遂げた経験がある人は、ぜひアピールしましょう。
勉強熱心な人
勉強熱心な人もWEBディレクターに向いている傾向があります。なぜなら、WEB業界の技術やトレンドは日々進化し常に勉強が必要だからです。
また、未経験の場合、働き始めの知識や経験は、ほぼゼロに等しいでしょう。WEBディレクターとしての知識や経験のなさをカバーするにはとにかく勉強するしかありません。
足りない部分を補う努力ができる、新しい知識を常に勉強できる熱心な人はWEBディレクターにピッタリです。
WEBディレクターになるために必要なスキル・資格
未経験の方がWEBディレクターを目指す時に必要なスキルとあると良い資格をまとめました。
必要なスキル | 詳細 |
コミュニケーション能力 | チームメンバーやクライアントと有効な関係を築くことができる能力 |
マネジメント能力 | 業務、スケジュール管理など現場の指揮や進行管理がすることができる能力 |
あると良い資格 | 詳細 |
WEBディレクション検定 | 誰でも受験でき、Web制作の工程管理はもちろん、サイト全体の情報構造設計、集客施策立案、実施まで、幅広いWEBディレクターに必要な専門知識が学べる |
未経験の場合、専門的なITスキルよりも、「コミュニケーション能力」「マネジメント能力」などの WEBディレクターに必要なこれまでの経験で培ったスキルが求められます。
また、WEBディレクターになるために必須な資格はありませんが、IT・WEBに関する基本的な知識や学ぶ姿勢は必要です。
その場合、上記のWEBディレクション検定は、初心者からWEBディレクターに必要な知識を実践的な内容で学ぶことができるのでおすすめ。資格を取得することで、熱意のアピールにもなるので、勉強してみてはいかがでしょうか。
詳しくは、WEBディレクション検定の公式サイトをご覧ください。
WEBディレクターに転職するためのテクニック
WEBディレクターに転職するための「求人の探し方」「志望動機」「面接対策」のテクニックをご紹介します。
求人の探し方
求人サイトをみると、未経験歓迎のWEBディレクターの求人はたくさんあります。しかし「実務経験なしでもサイト制作経験がある人」「未経験でも個人でもブログなどの運用経験がある方」と条件がつく場合も。自分が応募できる求人か必ず求人票の応募条件チェックしましょう。
また、応募できる求人が少ない時は、アシスタントやWEBライターなど未経験でも挑戦しやすい職種からWEBディレクターを目指せるキャリアパスがある企業を探すのも1つの方法です。
WEBディレクターになるための志望動機
志望動機のテクニックは、WEBディレクターに求められるスキルがあることをアピールすることです。
つまり、WEBディレクターに必要な「コミュニケーション能力」や「管理能力」を活かせた経験の具体的なエピソードを盛り込んでください。
例えば営業経験者であれば、クライアントとの関係構築で成し遂げた実績を語ることで、コミュニケーション能力をアピールできます。
志望動機は転職者がよく悩むポイントなので、自信のない方は転職エージェントの応募書類添削サポートなどを活用しましょう。
WEBディレクターの面接対策
面接のポイントは「面接官と会話が弾むように意識する」ことです。なぜなら面接官と会話が弾むことが1番のコミュニケーション能力のアピールになるからです。
また、会話が弾むということは、あなたに興味を持っているということなのであなたの魅力が伝わっている証拠でもあります。
会話を弾ませるコツは、聞かれた質問に対して、結論だけを答えるのではなく、結論を述べた後、根拠や具体的なエピソードでおまけをつけること。
例えば「あなたの強みを教えてください」に対し「私の強みは問題解決のために根気強くチャレンジできることです」で終わってはいけません。
チャレンジできることという結論に付け加えて「実は、前職の営業では営業成績最下位でした。しかし〜」のように面接官がもっと話を聞きたくなるエピソードを話すことで、さらにエピソードに関する質問をされ、会話が盛り上がります。
まとめ
当記事では、WEBディレクターについて「仕事内容」「やりがい」「未経験からなる方法」などについてご紹介しました。WEBディレクターは、基本的な知識の勉強が必要ですが未経験から挑戦できる専門職の1つです。大きなやりがいや将来性も見込めるので、興味がある方はぜひ検討してはいかがでしょうか。