「施工管理って忙しいし、休みも少ない」「職人さんに怒られるのがつらい」施工管理の仕事が大変で「もう辞めてやる!」そう思っている方はたくさんいるでしょう。
しかし、本当に辞めていいのでしょうか?「辞めたい感情」を深堀りせずに辞めてしまうと「辞めない方がよかった」と後悔するかもしれません。
この記事では、そうならないために『よくある辞めたいと思う理由』『本当に辞めるべきか判断する方法』についてご紹介!また、実際に転職するときの選択肢についても触れていますので、ぜひ最後までご覧ください。
施工管理【土木・建築・電気】によくある辞めたい理由
あなたはどんな時に辞めたいと感じていますか?激務・上司からのプレッシャーなど様々な理由があるでしょう。ここでは、実際に辞めたいと感じている施工管理者の声をご紹介します。
忙しすぎて体力的にしんどい
【20代前半 建築施工管理技士:男性】
高卒で施工管理の会社に就職して5年。仕事自体は嫌ではありません。やりがいもあるし、給料もまずまずですし。ただ、忙しすぎて体力的にしんどいです。
朝は5時30分に起きて6時には自宅を出発。家に帰ってくるのは21時とか22時とかになる日もあります。建築業界は日曜日のみ休みが基本。
金曜の夜にSNSで、友達が飲み会で盛り上がっている投稿を見ると、「あ~いいな~。」って正直羨ましくなります。遊ぶ時間が欲しいっていう訳ではないんですけれど、もう少し自由な時間が増える仕事に転職しようかな、と考えることはしょっちゅうありますね。
施工管理は長時間労働ですよね。緊急対応があれば唯一の日曜日も潰れてしまう!ということもよくあり、「休めない」「家族との時間がない」など『忙しさ』を理由に辞めようと思う方は多いです。
年上の職人さんとの人間関係に悩まされている
【20代後半 電気工事施工管理技士:男性】
施工管理の仕事はすごく好きなのですが、職場での人間関係にすごく悩まされています。一番の苦痛は、何十歳も年上の職人さんに若手の自分が指示を出すこと。
「お前の指示通りじゃ間に合わねえよ」、「そんな性格でよく務まるよな」など、しょっちゅう言われています。
一度、上司に、「辞めたいです。」と相談した時は、「ここで続かなきゃ、どこに行っても続かないよ!」などと言われ、ずるずると続けています。でも、正直このまま続けていく自信がありません。
職人さんは昔気質の方も多く、きつい物言いをする方が多いようですね。また、下請けと元請けの板挟みになり、精神的ダメージをに耐えられず、転職を決意する人もいます。
覚えることが多すぎて頭がついていかない
【30代 土木工事施工管理技士:男性】
20代前半の時に土木工事会社に就職して、施工管理の仕事に携わることになりました。最初は全然仕事の内容を覚えられなくて、毎日メモを取ったり、先輩に質問しまくったりしながら必死に食らいつきました。
今でも、覚えることが多すぎて頭がついていきません。職人さんとの打ち合わせに出たり、出張で色んな現場を飛びまわったり。頭もパンパンだし、足もパンパンだし…、こんなにきつい仕事だと思っていなかったので、「もう、辞めたい」と考えたことは正直何回もあります。
施工管理者の仕事内容は『工程管理・品質管理・原価管理・安全管理』の4大管理が中心です。それ以外にも、『行政に申請する書類作成』や『職人さんとの打ち合わせ』など膨大な仕事量になります。
1つでもミスをすると施工ミスという取り返しのつかない事態を招くため、この膨大な仕事量を覚え、ミスなくこなす事に大変だと思う方も多いようです。
施工管理を本当に辞めるべきか判断する方法
辞めたいからと言って、簡単に辞める決断ができる人はなかなかいません。「辞めたいけれど、どうしよう」とこの記事を読みながら思っている方がほとんどだと思います。
ここからは『施工管理を続けている方の声』を踏まえ、『本当に辞めるべきか判断する方法』について説明します。
施工管理を続ける理由は『やりがい』
施工管理の仕事を「大変だ」「きつい」と感じている方が、辞めたいと感じるのは当然のことです。一方、大変な仕事と思いながらも、20年、30年と施工管理者として活躍し続けている方もたくさんいます。
そういった方に「どうしてこの仕事を続けられるのですか?」と聞くと「大きなやりがいがあるから」と多くの方は回答されます。どのようなところに『大きなやりがい』を感じるのか見ていきましょう。
【土木施工管理技士の方の声】
わたしが手掛ける現場は、官公庁から依頼される工事や公共工事が中心です。 現場の規模が大きいので、さまざまな施工業者の方と協力し合いながら工事を行います。
納期に間に合うよう、 多くの方とコミュニケーションを交わしながら、みんなで1つの現場を作り上げていくことに面白さと、大きな達成感を感じます。
【建築施工管理技士の方の声】
たった一枚の図面から、どんどん目に見える形となって、最終的には大きな建物となる。この工程に自分がゼロから携われるのは、すごく誇りに思うし、自分が携わって建設された建物をもっともっと増やしていきたいと思っています。建物が無事に完成したときは、何にも代え難い感動です。
施工管理は責任も大きく、大変な仕事であることは間違いありません。しかし、『大きなやりがいを感じられる職業』ということも事実です。
今は「つらい」「辞めたい」と感じているかもしれませんが、仕事の中に「やりがい」や「面白さ」を見つけられれば、もう少し続けていける原動力になるかもしれません。
辞めたいときは、その理由が衝動的なものかどうか整理する
仕事をしていれば「辞めたい」と感じることは誰でもあります。『辞めたいという感情』には『衝動的な感情』と『限界を迎えた時の感情』の2種類があると考えたことはありますでしょうか?
あなたが感じている『辞めたい感情』を整理せず、転職をしてしまうと「辞めなければよかった」と後悔してしまうかもしれません。少し詳しく解説していきましょう。
衝動的に辞めたいと感じる時
例えば「ミスをして迷惑をかけた」「理不尽な理由で上司に怒られた」このようなときに「あ〜この仕事向いていないわ。辞めたい」と感じたことはありませんか?
これは、一時的なストレスによって衝動的に思う感情です。こういったケースで「辞めたい」と感じた時は、安易に転職することはやめたほうがいいでしょう。
精神を病むほど限界を迎えている時
これは、前々から「施工管理に向いていない」「やりがいを感じない」などの感情が続く時です。このまま続けていては、身体的、精神的に病んでしまうと限界を感じて「辞めたい」と思っているなら、転職を検討するのもいいでしょう。
その理由は、辞めたいという感情が解消されないのに、無理して続けるのはあなたにとってマイナスにしかならないからです。
「辞めたい」と思うことは、悪いことではありません。大事なのは、本当に辞めるべきか、「辞めたい理由」を深堀りすることです。
辞めた後のことを想像してみよう
もし、辞めたい理由を深堀りした結果、「辞めることを決意」したのであれば、次は、辞めた後のことについて考えましょう。
- 今の会社が嫌なだけだから、施工管理を続けたいのか
- もう施工管理はやりたくなのか
- すぐに転職活動できる状態か
- 転職する時に譲れない条件は何か
- 何かやりたいことはあるか
など、考えてみてください。転職すればもちろんメリットはあります。しかし、転職することで給料が下がったり、1から人間関係を構築しなければならないなど、デメリットも想像以上に多いです。
特に『これと言ってやりたいことがわからない』状態で転職することはオススメできません。辞めた後のことも想像して、もう一度「本当に辞めるべきなのか」自分自身のも気持ちを整理してみてください。
施工管理職を辞めて転職するときの選択肢
「辞めたい感情」が限界を迎えているのなら転職を検討していいと思います。転職を決意していても「何ができるかわからない」という心配はありませんか?
できれば今までの経験を活かしたいと思うことは自然なこと。ここからは実際に転職するときの選択肢を3つのケースをご紹介します。
他の会社で施工管理を続けるケース
辞めたい理由が「上司とウマが合わない」など今の会社によるもので、次も施工管理として働きたい時の転職パターンです。施工管理としての経験を生かすことができるので、転職する場合の選択肢として選びやすいのではないでしょうか。
働き方や休みの取りやすさなど、自分の条件に合った会社を選びましょう。
施工管理者として転職する場合、同業種の会社に転職する以外に、『施工管理の技術者派遣に転職』という選択肢もあります。
これは、技術者派遣の会社の正社員として採用されて、派遣先は他の建設会社の現場という働き方です。工期が終われば次の現場へ派遣され、会社というしがらみがなく働けるメリットがあります。
経験を生かして同じ業界の違う職種に転職するケース
「もう施工管理は嫌だ!」という場合は、施工管理の経験を生かして、同じ業界の違う職種に転職するという選択肢があります。例えば、建築施工管理者の転職例を挙げていくと、
不動産仲介営業
建物を売買するには、その建物を正当に見極め評価する目が必要。建物を作る側である施工管理として培った知識・経験が多いに役立ちます。
不動産開発業者
新しい住宅地やリゾート地の開発・造成など、大規模な不動産開発や再開発をするこの仕事は、施工管理として現場で積んだ経験が役立ちます。ところが中途採用をしている会社が少ないのがネックです。
設備管理
「ビルメン」とも呼ばれる、ビルやマンションなどの設備を定期的に点検し、適切な状態に管理・維持する仕事です。必要に応じて業者に修理依頼する立場でもあるので、施工管理として建物を作るなかで得た経験が活かせます。
これらの職種は、転職活動の際も、施工管理で培った知識をアピールすることができるので、面接などの対策がしやすいでしょう。
全く違う未経験の業界・職種へ転職するケース
思い切って、今までと全く違う業界・職種に転職して心機一転する選択肢です。転職を成功させるポイントは以下の2つです。
①未経験採用が多い職種を選ぶ
一般的に販売や営業は未経験でも積極的に採用する企業が多いです。
②退職理由と志望動機を明確にする
必ず「なぜ施工管理を辞めるのか」「どうしてこの職種に応募したのか」ということを面接で聞かれます。退職理由の伝え方によっては、悪い印象を持たれることも。
退職する理由にプラスして、どんなことにチャレンジしたいかも一緒に伝えるようにしましょう。
まとめ
この記事では、『施工管理を辞めたいと感じる理由』『本当に辞めていいか判断する方法』『転職するときの選択肢』についてお伝えしました。
施工管理がやりがいのある仕事だとわかりつつも、さまざまな理由で「辞めたい」と感じることは珍しいことではありません。
「辞めたい」と感じる時は、「どうして辞めたいと感じるのか」「この感情は一時的なものなのか」を整理してください。そうすれば、今後どうすればいいか見えてくるはずです。