医療ソーシャルワーカーとは?仕事内容・やりがい・未経験から目指す方法を徹底解説

医療ソーシャルワーカーとは?仕事内容・やりがい・未経験から目指す方法を徹底解説

病院に勤務し、患者さんや家族の生活をサポートする医療ソーシャルワーカー。突然病気や怪我を負った方の経済的な問題や社会復帰など様々な問題を解決する重要な仕事です。

しかし、認知度が低いため「どんな仕事かよくわからない」「病院の求人って多いの?」など、医療ソーシャルワーカーに関して疑問を感じていませんか?

そこで今回は、

  • 医療ソーシャルワーカーの仕事内容・働き方・給与は?
  • 医療ソーシャルワーカーのやりがい・苦労・向いている人の特徴とは?
  • 未経験から医療ソーシャルワーカーを目指す方法

についてご紹介します。

医療ソーシャルワーカーに興味がある、転職したいとお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。

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医療ソーシャルワーカーの仕事内容・働き方・給与は?

医療ソーシャルワーカーの仕事内容・働き方・給与は?

そもそも医療ソーシャルワーカーがどのような仕事で、どんな働き方をしているのかご存知ですか?はじめに、医療ソーシャルワーカーの「仕事内容」「働き方」「給与」についてご紹介します。

医療ソーシャルワーカーの仕事内容

医療ソーシャルワーカーは、病院において患者さんや家族が抱える「医療費などのお金の心配」「仕事の心配」などの悩みや問題に対して助言や支援サービスを紹介し、サポートする仕事です。具体的には次のような業務を行います。

  • 療養中の患者や家族の心理的問題の解決や援助
  • 患者の退院援助と退院後の生活支援
  • 患者の退院後の就労支援などの社会復帰支援
  • 生活や病気・怪我の状態に合わせた通院などのアドバイス
  • 患者と家族が抱える医療費や生活費などの経済的問題の支援サービスの紹介
  • 地域ケア会議などへの参加による地域活動

医療ソーシャルワーカーの働き方!残業や休日は?

続いて医療ソーシャルワーカーの勤務形態・休日・残業など、働き方についてご紹介します。

勤務形態

基本的に相談業務は日中に行われるため、日勤がメイン。求人を見ると大体9時から18時までの1日8時間勤務が多いです。医師や看護師の医療職と異なり、夜勤になることはありません。

ただし、同じ病気を持つ家族の会などが夜間や休日に開催されることも。地域活動として、そのような会に参加する場合は、夜間に働くこともあります。

休日

休日について求人を確認すると、土日祝休みのカレンダー通りだったり、シフト制の週休二日制など、勤務先によってさまざまです。いずれも、年間休日は110日から120日と休日に関してはきちんと確保されています。

転職するときは、シフト制なのが固定の休日なのか自分の生活スタイルに合った勤務先を選びましょう。

残業

残業については、勤務先によって大きく異なりますが、月平均10〜20時間程度はあると思っておいた方が良いです。また、医療ソーシャルワーカーは、1つの施設にあまり多く配属されないため、一人当たりの業務量が多くなりがち。規模が大きく、人手不足な病院では、残業しないと仕事が終わらない場合もあります。

医療ソーシャルワーカーの給与・年収は?

医療ソーシャルワーカーの給与についてみていきましょう。

医療ソーシャルワーカー日本全体
平均年収404万円461万円

参考:平均給与 – 国税庁

参考:令和3年度 賃金構造基本統計調査 厚生労働省

厚生労働省の調査によると、医療ソーシャルワーカーが属する社会福祉の専門職の平均年収は404万円。また、勤務先や勤続年数によって給与に差がある傾向があります。

医療ソーシャルワーカーの求人を参考にすると基本給が18万円から25万円の募集が多いです。基本給から計算すると転職当初は、270万円から350万円くらいの年収が相場だと推測できます。

医療ソーシャルワーカーのやりがい・苦労・向いている人の特徴とは?

医療ソーシャルワーカーのやりがい・苦労・向いている人の特徴とは?

病気や怪我を抱える方の強い味方となる医療ソーシャルワーカー。一体どんなやりがいや苦労があるのでしょうか?ここからは、医療ソーシャルワーカーの「やりがい」「苦労」「向いている人の特徴」についてご紹介します。

医療ソーシャルワーカーのやりがい

医療ソーシャルワーカーのやりがいは、患者さんやその家族の「退院後の介護」や「医療費の心配」などの問題解決の役に立っていると実感できることです。

患者さんはもちろん、患者さんを支える家族も、「退院しても家で介護ができるか不安」「働けない間のお金が心配」などたくさんの問題を抱えています。患者さんや家族の相談に乗り、健康保険制度や福祉支援サービスを紹介するなど不安を解消することで、安心して生活できる手助けをするのが、大きな役割です。

例えば、金銭面の不安がある方に、高額医療費制度や、働けない間の生活費の補助の説明をして、不安で一杯な表情から笑顔が戻ったり、「ありがとう」と感謝の言葉をもらうと自分の存在意義を感じます。自分のアドバイスや支援が、患者さんと家族の安心した生活の役に立てることは、医療ソーシャルワーカーの魅力です。

医療ソーシャルワーカーの苦労

医療ソーシャルワーカーの苦労は、費用の問題や支援制度の限界など努力しても解決できない問題があること。

なぜなら、医療や福祉、介護に関する制度やサービスがありますが、これらを利用したからといってどんな問題もすべて解決できるわけではないからです。例えば、退院後に介護が必要になり、本人と家族は訪問介護に毎日来てほしいと希望していても、介護度が足りず、週に3回しかサービスを受けられないこともあります。

制度や法律の問題は、医療ソーシャルワーカーの力ではどうにもならず、もどかしい気持ちになることもあるでしょう。困っている人を助けたいという自分の理想と現実の違いに悩み、やりがいを感じられなくなる方もいます。

医療ソーシャルワーカーに向いている特徴

医療ソーシャルワーカーに向いている特徴は「マルチタスクが得意なこと」「感情移入しすぎないこと」「常に試行錯誤できること」です。それぞれ詳しくみていきましょう。

マルチタスクが得意なこと

医療ソーシャルワーカーは、マルチタスクが得意な方に向いています。仕事では、1人だけでなく、同時に何人もの相談や支援をしなくてはいけません。また、1人の相談者でも看護師や医師との調整や、介護支援を受ける際の介護施設との連絡調整など様々な業務を並行します。

1つの作業にじっくり取り組みたい方には不向きですが、多くの業務を並行しても、混乱せずにできる方に向いている仕事です。

感情移入しすぎないこと

感情移入しすぎない冷静な方は医療ソーシャルワーカーに向いています。相談業務の難しいところは、相手に寄り添いつつも、冷静な判断をしなくてはいけないところです

。医療ソーシャルワーカーに興味がある方は、「困っている人を助けたい」と奉仕の精神がある方がほとんどです。困っている人や悩んでいる人を見ると、「何でも要望を叶えてあげたくなる」方も多いでしょう。

しかし、過度にお世話してしまうと、本人や家族のためにならないこともあります。適切な支援を冷静に判断できる、感情に流されない強さが医療ソーシャルワーカーには必要です。

常に試行錯誤できること

常に試行錯誤できることは、医療ソーシャルワーカーに向いている特徴の1つです。なぜなら、支援の方法に正解はなく、相談者の状況に合わせて、たくさんの選択肢の中で、最善策を模索して行くことが必要だからです。

良いと思った支援が、相談者によっては合わないことや解決に至らないこともあるでしょう。そんな時、「ではどうしたら良いのか」と常に最善策を追い求めなくてはいけません。

同僚や先輩の意見を聞いたり、知識を勉強したりしながら、より良くなることを試行錯誤できる方は、医療ソーシャルワーカーの適性があります。

未経験から医療ソーシャルワーカーを目指す方法

未経験から医療ソーシャルワーカーを目指す方法

ここからは未経験から医療ソーシャルワーカーを目指すために「必要な資格・役立つスキル」「自己PRポイント」「面接でよく質問される内容」を解説します。ぜひ転職を検討中の方は参考にしてみてくださいね。

医療ソーシャルワーカーに必要な資格

医療ソーシャルワーカーに必要な資格についてご紹介します。

必要な資格

社会福祉士

福祉や医療に関する相談援助に必要な専門知識・スキルがあることを証明する国家資格

精神保健福祉士

心の病や悩みを抱えた人の日常生活や社会復帰を援助するために必要な知識・スキルを証明する国家資格

実は、医療ソーシャルワーカーは絶対に資格が必要ではありません。しかし、上記の「社会福祉士」か「精神保健福祉士」がなければ、応募できる求人がないのが現実です。

転職を検討している方は、まずどちらかの資格の取得を目指しましょう。「社会福祉士と精神保健福祉士のどちらを取れば良いの?」と迷う場合は、支援する対象が広い社会福祉士がおすすめです。

社会福祉士も精神保健福祉士も、学歴や実務経験によって受験資格を得る条件が異なるため、資格取得を目指す人は、自分が受験資格を得るにはどうすればよいか調べましょう。

医療ソーシャルワーカーになるための自己PRポイント

医療ソーシャルワーカーになるための志望動機や自己PRでアピールしたいポイントはこちらです。

  • 人の役に立ちたい気持ち
  • コミュニケーション能力
  • 臨機応変な対応力

志望動機では必ず「医療ソーシャルワーカーになりたい理由」を書きます。実体験など具体的なエピソードを踏まえて「人の役に立ちたい気持ち」をアピールしましょう。

また、「コミュニケーション能力」や「臨機応変な対応力」は、医療ソーシャルワーカーに求められる資質。前職で、コミュニケーションや対応力を使って問題を解決した経験がある方は、そのエピソードをアピールすると効果的です。

医療ソーシャルワーカーの面接でよく質問される内容

「転職活動で心配なのは面接だ」という方は多いのではありませんか?面接は、どうしても緊張してしまうもの。緊張しても大丈夫なように、面接で質問に答える練習をしておきましょう。最後に、医療ソーシャルワーカーの面接でよく聞かれる内容についてご紹介します。

  • 困難なことが起こった時あなたはどうしますか?
  • 医療ソーシャルワーカーにとって何が1番大切だと思いますか?
  • あなたにとって医療ソーシャルワーカーはどのような仕事ですか?

回答するときは、結論→理由の順番に答えるのが、回答のコツです。ダラダラと前置きを長くすると、何をいちばん言いたいのか面接官に伝わりません。「私は○○だと考えます。なぜなら〜」の順で話すと要点が相手に伝わりやすいです。

伝わりやすく話すことは、医療ソーシャルワーカーの業務に通じるため、面接官に見られるポイントでもあるので意識しておきましょう。

まとめ

当記事では、医療ソーシャルワーカーの「仕事内容」「やりがい」「未経験からなる方法」などについて解説しました。医療ソーシャルワーカーは、患者さんや家族が安心して生活するための大きな味方。社会に貢献できる魅力的な仕事です。

国家資格が必要など、転職の難易度は高いですが、資格を活かして専門職に就くことができます。興味がある方は検討してみてはいかがでしょうか。

医療ソーシャルワーカーとは?仕事内容・やりがい・未経験から目指す方法を徹底解説

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