企業のマーケティング活動を支えるマーケティングディレクター。売れる仕組みを作るマーケティング職は企業の中でも花形部署であり、憧れの職種の1つです。
しかし、「カッコいいイメージが先行して何をやっているかわからない?」「学校でマーケティングを学んでないけど大丈夫?」などマーケティングディレクターに関して疑問をお持ちではありませんか?
そこで今回は
- マーケティングディレクターの仕事内容・働き方・給料は?
- マーケティングディレクターの1日の流れ・やりがい・苦労とは?
- 未経験からマーケティングディレクターになる方法
についてご紹介します。
マーケティングディレクターに興味がある、転職したいとお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。
マーケティングディレクターの仕事内容・働き方・給料は?
そもそもマーケティングディレクターがどのような仕事で、どんな働き方をしているのかご存知ですか?はじめに、マーケティングディレクターの「仕事内容」「働き方」「給料」についてご紹介します。
マーケティングディレクターの仕事内容
マーケティングディレクターとは、企業のマーケティング戦略を統括する役割があります。「マーケティング部門の管理職」といえばイメージしやすいでしょう。企業が行う、具体的なマーケティング活動は以下になります。
- 市場調査
- 顧客・ターゲット分析
- 商品企画
- プロモーション活動・広告運営
- WEBサイトの制作
- 営業販売促進
マーケティングディレクターは、市場調査や顧客分析などマーケティング活動の全てに責任者として関わります。
マーケティングディレクターの働き方!残業や休日は?
マーケティングディレクターの勤務時間は一般的な日勤の職種と同じく、1日8時間勤務。企業によって違いますが、残業時間は平均20時間。休日は完全週休2日制が一般的です。
世間のトレンドに敏感な必要があるため、業務時間外にも流行の店を回ってリサーチしたり、SNSを巡回するなどプライベートとの切り替えが難しい場合も。しかし、近年働き方改革が進んでおり、ノー残業デーやフレックスタイム制でワークライフバランスを重視する企業が増えています。
業務時間外は全く仕事のことを考えたくない方には不向きですが、普段の生活を仕事に活かしたい方におすすめなお仕事です。
マーケティングディレクターの給料
マーケティングディレクターの平均年収を日本の平均と比較してみましょう。
マーケティングディレクター | 日本全体 | |
平均年収 | 645万円 | 461万円 |
参考:平均給与 – 国税庁
マーケティングディレクターは専門職なので、年収は高めの傾向があります。また、管理職のため、大手企業や外資系企業では、1000万円以上の高収入も可能です。
マーケティングディレクターの1日の流れ・やりがい・苦労とは?
華やかなでカッコいいイメージがあるマーケティングディレクタ一。一体どのような1日を過ごしているのでしょうか?今回はマーケティングディレクターの1日の流れを解説しながら、「やりがい」「苦労」についてご紹介します。
マーケティングディレクターの1日の流れ
食品メーカーのマーケティングディレクターとして活躍するAさんの1日をご紹介します。
時間 | 仕事内容 | 補足 |
9:30 | 出社・メールチェック | 出社後、メールを確認。優先順位をつけて緊急性の高いものから返信します |
10:00 | 前日の数値チェック | ディレクターになってもWEBサイトの数値や商品の売上など毎日の数値チェックは欠かせません |
10:30 | 四半期のマーケティング戦略を考える | 四半期ごとに戦略を見直し。年間計画とのズレを踏まえプランの変更や強化する部分を見直します |
12:00 | ランチ | |
13:00 | 会議資料の制作 | 15:00からの責任者会議で使う資料を作成します |
13:30 | チームミーティング | チームでアイディア出しのミーティングをします |
14:00 | メンバーからの企画書のフィードバック | メンバーから企画書の提出があったので、内容について修正やアドバイスをします |
15:00 | 責任者会議 | 各部署の責任者や役員が集まって、事業の進捗確認や課題について話し合います |
16:00 | 新商品のプロジェクトミーティング | 新商品の発売に向けて、開発部門、営業部門など多くの部署との擦り合わせを行います |
16:30 | 業務の整理 | 責任者会議やプロジェクトミーティングで決まったことを整理して、メンバーに業務を振り分けます |
17:00 | 数値分析 | 戦略を考えるために必要なデータの分析をします |
18:30 | 雑務 | 経費の申請やメールの返信など溜まっていた雑務をこなします |
19:00 | 退社 | 時間内に業務が終わるよう時間の管理を徹底しています |
マーケティングディレクターのやりがいは仲間と目標を達成する喜び
マーケティングディレクターの魅力は、部下である仲間と同じ目標を持ち、その目標を達成する喜びです。マーケティングの仕事は1人でできることは非常に限られています。どんなに素晴らしい戦略を立てても、実行するには多くの仲間の協力が必要。リーダーとして部下をまとめ、成果を上げることに大きな達成感があります。
例えば、1つのチョコレートを売るにしても、「流行りのフレーバーの調査や分析」「思わず買いたくなる広告の作成」「SNSでのPR」など多方面にまたがるマーケティング戦略があります。それぞれを担当する仲間と共に、試行錯誤して発売したチョコレートが大ヒットしたり、実際に食べている人を目にしたときの喜びは何者にも変えられません。
仲間たちと目標を達成することは、達成感と部下の成長を感じられるマーケティングディレクターのやりがいです。
マーケティングディレクターの苦労は企業文化を変えること
マーケティングディレクターの苦労は、新しい手法や世間のトレンドを反映するために、従来の企業文化を変える必要があることです。
新しい取り組みをするときは、これまでと違うことに不安感や拒否感を示す人は必ずいます。拒否反応を示す人を説得し、マーケティング戦略の理解を得ることは、骨の折れる作業です。
例えば、「新商品にユーザーのニーズを取り入れたくても、開発部から企業の伝統と違うと反対される」「SNSを使った宣伝に力を入れたいが、上層部は従来のテレビCMを好み予算が取れない」などの反対意見で、戦略を進められないこともあります。
反対意見を持つ人がいる中、マーケティング戦略を企業全体に浸透させることは、マーケティングディレクターの辛いところであり、大きな役割です。
未経験からマーケティングディレクターになるための方法
ここからは未経験からマーケティングディレクターになるために「向いている人の特徴」「必要な資格・スキル」「転職テクニック」を解説します。ぜひ転職を検討中の方は参考にしてみてくださいね。
マーケティングディレクターに向いている特徴は「人」に対して興味があるか
人に対する興味関心があることは、マーケティングディレクターに向いている特徴。なぜなら、マーケティングでは人々が求めるものをキャッチし、ニーズに合わせた発信をする必要があるからです。
人々が求めるものをキャッチするには、「何に興味があるのか?」「なぜそれを買いたいと思うのか?」「逆に購入・行動しない理由は何か?」など人々の行動に興味を持ち、追求しなければいけません。したがって、良いマーケティング戦略を立てるためには、「人」に対する興味・好奇心が必須です。
マーケティングディレクターに必要なスキル・資格
マーケティングディレクターに必要なスキルや資格についてまとめてみました。
必要なスキル |
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求心力 |
チームを統率する力 |
情報収集スキル |
トレンドや最新のニュースなどの情報収集スキル |
Office系ソフトスキル |
Excel、PowerPointなどのツールを使いこなすスキル |
分析ツールスキル |
・Googleサーチコンソール ・Googleアナリティクス ・Googleキーワードプランナー などデータ分析やアクセス解析に必要なツールを使いこなせるスキル |
あると良い資格 |
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マーケティング・ビジネス検定 |
特定の業種・業界にとらわれない幅広い共マーケティング理論や、実践的なマーケティング知識を取得できる資格 |
マーケティング検定 |
現代のビジネスに欠かせないマーケティングの知識を学べる資格 |
WEB解析士 |
WEBマーケティング業務全般に必要なWEB解析・マーケティング知識や技術を学ぶことができる資格 |
マーケティングディレクターは、マーケティング活動の責任者の役割があるので、求心力のようなリーダースキルを求められます。また、マーケティング業務に必要なPCや分析ツールを使いこなすスキルも必要です。
マーケティングディレクターになるための必須資格はありません。ですが、未経験の場合、実務経験がないことをカバーするために、マーケティング系の資格を取得することをおすすめします。
マーケティングディレクターになるための転職テクニック
最後に未経験からマーケティングディレクターになるための「求人の探し方」「志望動機」「面接対策」のテクニックをご紹介します。
求人の探し方
未経験から、管理職のマーケティングディレクターに転職することは、ほとんどできません。まずは、マーケティング職についてマーケティングディレクターにキャリアアップを目指す事が無難です。
マーケティング職は営業や商品企画職など多くの部署と関係しているため、未経験でも前職の経験を活かして転職することは可能。マーケティング職は非常に人気があるため、競争率が高い傾向があります。未経験の方は、競争を勝ち抜くために転職エージェントを利用して、対策を十分に取ることがおすすめです。
マーケティング職につくための志望動機
マーケティング職に転職するための志望動機のポイントは、マーケティング職に向いていることをアピールすることです。まずは、アピール材料を見つけるために、これまでの経験の棚卸しを行ないましょう。
これまでの経験を振り返りながら、「マーケティングと近しい業務に携わったことはないか」「マーケティングに活かせる知識やスキルはないか」を考えてみてください。
例えば、営業職なら、売れるものや、お客様のニーズを汲み取る分析力は、マーケティングに通じるスキルです。アピールしたい経験やスキルを具体的なエピソードを入れると、伝わりやすい志望動機を作成できます。
マーケティング職につくための面接対策
面接対策では、自己PRや転職理由のような、どの職種でも聞かれることだけでなく、マーケティング職ならではの質問に答えられるように練習しておきましょう。そこで、マーケティング職でよく聞かれる質問例をご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
- なぜマーケティングを選んだのですか?
- 分析結果から何かを改善した経験はありますか?
- 成功体験を教えてください
よく聞かれる質問は、事前に回答を用意し、繰り返し練習しておくと本番で緊張しても安心です。面接に自信がない方は、転職エージェントの模擬面接などのサポートサービスで対策することをおすすめします。
まとめ
当記事では、マーケティングディレクターの「仕事内容」「やりがい」「未経験からなる方法」などについて解説しました。マーケティングディレクターは、企業の売上を作る魅力的な職業です。管理職のため、未経験から直接ディレクターになることはできませんがマーケティング職への転職は十分可能。興味がある方は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。